学習塾の複合機は中古購入VS新品リース?6年間のトータルコストとリスクを徹底比較

複合機 中古購入vs6年リース どっちが得!?

学習塾では、毎日複合機(コピー機)を使います。

日々の授業で使用するプリント、定期テスト対策の過去問、保護者への案内、さらには模試の印刷など、学習塾における印刷枚数は他業種に比べても少し多めなのではないでしょうか。

そこで必ず直面するのが、「中古の複合機を現金で購入し、保守契約を結ぶべきか」、それとも「新品を6年リースで導入すべきか」という選択です。

初期費用を抑えたい、月々のランニングコストを明確にしたい、トラブルで授業を止めたくないなど、経営者としての悩みは尽きません。

本記事では、実際の塾経営におけるリアルな数字と事例を徹底的にリサーチし、両者のメリット・デメリット、そして6年間運用した際のトータルコストを徹底的に比較・検証します。

この記事を読めば、あなたの塾にとってどちらが正解かが完全に分かります。

1. 学習塾における複合機選びの特殊性と重要性

まず前提として、学習塾というビジネスにおける複合機の特殊性を理解しておく必要があります。一般的なオフィスとは異なり、学習塾の印刷には以下のような特徴があります。

印刷の波が激しい(季節変動)

通常期に比べ、春期・夏期・冬期講習の前、および定期テスト前は印刷枚数が通常時期よりも増加します。同時に、この繁忙期に複合機が万が一ストップすると、授業そのものの運営に滞りが生じるため、複合機の不調トラブルは極力ないよう、メンテナンスも重要になってまいります。

白黒(モノクロ)比率が圧倒的に高い

生徒に配るプリントの多くはモノクロです。しかし、一方では視覚的な理解を促すための図表や、低学年向けの教材、生徒募集のチラシなど、一部でカラー印刷も確実に必要とされます。

壁に掲示する生徒の優秀掲示や、イベントや講習などの案内チラシなど、大きめの文字で書いたスローガン掲示物なども、やはりカラー利用になるでしょう。

複合機を導入すると、ネットワーク内でそのパソコンが教室内にあるパソコンから印刷できるように、各パソコンに複合機のドライバーをインストールします。
そのとき、複合機のデフォルト設定をカラー印字から「白黒印字」に変更しておかないと、その後漫然と使用したものは、すべてカラーになってしまいます。


無駄が多くなるため、必ずパソコン側の設定を忘れないようにしましょう。

耐久性と印刷スピードが求められる

業者さんからただ勧められるままというのは、納品後に、想定より性能が「良すぎる!」「悪い」などの不満要素が残ってしまいます。
複合機本体の金額や、リースで毎月どのぐらいのお金がかかるのか、というところに目が行きがちですが、印刷スピードは意外と重要です。

何故なら、集団塾においても個別指導塾においても、講師が生徒のために印刷するケースはとても多いです。その際、印刷スピードがあまりにも遅ければ、その分時間を要してしまうため、講師、生徒、順番待ちの講師・・・とストレスだらけになってしまうことでしょう。


とんでもない高性能の機器は必要ありませんが、ある程度短時間で大量のプリントを刷り上げる必要があるため、分速30枚以上ぐらいのスピードと、大量印刷に耐えられる堅牢性が求められます。

これらの特徴を踏まえた上で、「中古購入+保守」と「新品6年リース」の具体的な比較に入っていきましょう。

2. 2つの選択肢の基本構造

今回比較する2つのパターンの構造を整理します。

パターンA:程度のよい中古複合機を購入+スポットまたは保守契約

市場で評価の高い、稼働数が少なく状態の良い型落ちの中古複合機(目安として3〜5年落ち、総印刷枚数が数万枚程度)を一括で購入します。その後、故障に備えて保守契約(カウンター保守など)を結びます。

パターンB:新品複合機を6年リース契約

最新の複合機を導入し、6年間のリース契約を結びます。所有権はリース会社にありますが、期間中は最新鋭の機械を月々固定のリース料で利用でき、通常は同時にカウンター保守契約を締結します。

3. リアルな金額比較(機器・保守・カウンター料金)

実際の市場価格や学習塾での導入事例ベースのリアルな数字を用いて、それぞれの費用を算出します。

計算の前提条件として、学習塾の平均的な印刷枚数を「月間6,000枚(モノクロ5,500枚、カラー500枚)」と設定します。用紙代(紙代)はどちらのケースでも共通で、1枚あたり0.6円(1包500枚で300円前後)として計算します。

機器本体の金額比較

中古購入(パターンA)

程度の良いA3カラー複合機(分速25〜35枚クラス)の中古市場価格は、整備費用や搬入設置設定費を含めて、約180,000円から250,000円です。今回は状態を重視し、220,000円(税込)として計算します。購入時のワンタイムの支出となります。

新品6年リース(パターンB)

同等クラス(分速25〜35枚)の新品複合機の定価は150万円〜200万円程度ですが、実際の流通価格(リース元金)は約600,000円から800,000円程度まで値引きされます。今回は720,000円(税込)として計算します。

これを6年(72回払い)のリースにすると、料率(約1.6%前後)を掛け合わせ、月額のリース料は約11,500円(税込)となります。

保守料金・カウンター料金の金額比較

複合機の維持には「カウンター保守契約」が一般的です。これは、1枚印刷するごとにあらかじめ決められた単価(カウンター料金)を支払うことで、トナー代、部品代、修理出張費がすべて無料(実質0円)になる仕組みです。

中古購入の場合、機械の摩耗リスクが高いため、新品よりもカウンター単価が高めに設定されるか、あるいは基本料金が上乗せされるケースがあります。一方、新品リースはメーカーや代理店の競争が激しいため、カウンター単価を低く抑えやすい傾向があります。

リサーチに基づくリアルな単価設定は以下の通りです。

パターンA:中古購入時のカウンター単価
・モノクロ:1.5円 / 枚
・カラー:12.0円 / 枚
※中古の場合、これとは別に月額基本料金(約2,000円)が発生する契約が多く見られます。

4. 6年間のトータルコストシミュレーション

それでは、上記の設定をもとに、6年間(72ヶ月)運用した場合のコストを完全に数値化して比較してみましょう。

月間印刷枚数:6,000枚(モノクロ5,500枚 / カラー500枚)

共通紙代:6,000枚 × 0.6円 = 3,600円 / 月

パターンA:中古複合機購入(6年間トータル)

初期費用(機器+設置)

220,000円(一括支払い)

月額費用

・カウンター料金(モノクロ):5,500枚 × 1.5円 = 8,250円

・カウンター料金(カラー):500枚 × 12.0円 = 6,000円

・保守基本料金:2,000円

・紙代:3,600円

・月額小計:19,850円

6年間の月額累計

19,850円 × 72ヶ月 = 1,429,200円

パターンA トータルコスト(6年総額)

220,000円 + 1,429,200円 = 1,649,200円

パターンB:新品6年リース(6年間トータル)

初期費用

0円(すべてリース料に含まれるため頭金なし)

月額費用

・リース料:11,500円

・カウンター料金(モノクロ):5,500枚 × 0.8円 = 4,400円

・カウンター料金(カラー):500枚 × 8.0円 = 4,000円

・紙代:3,600円

・月額小計:23,500円

6年間の月額累計

23,500円 × 72ヶ月 = 1,692,000円

パターンB トータルコスト(6年総額)

0円 + 1,692,000円 = 1,692,000円

自分で計算しておいて・・・・ですが、意外な結果でした。

コスト比較まとめ表

分かりやすく1つの表にまとめます。

費用項目パターンA:中古購入+保守パターンB:新品6年リース
初期導入費用220,000円0円
月額リース料0円11,500円
保守基本料2,000円0円
モノクロカウンター費 (5,500枚)8,250円4,400円
カラーカウンター費 (500枚)6,000円4,000円
共通用紙代 (6,000枚)3,600円3,600円
月額費用小計19,850円23,500円
6年間維持費(月額×72)1,429,200円1,692,000円
6年間の総合計コスト1,649,200円1,692,000円

差額の検証

6年間のトータルコストを比較すると、中古購入(パターンA)のほうが42,800円ほど安くなるという結果が出ました。

しかし、ここで注目すべきは「差額がわずか約4万円強」という点です。

月額に直すと、わずか600円未満の差しかありません。

初期費用で22万円を先出ししているにもかかわらず、新品リースのほうがカウンター料金が安いため、長期で見るとその差がほとんど縮まってしまうのです。

5. 数字に表れないメリット・デメリットとリスク管理

コストの差が僅差である以上、決断の決め手となるのは「運営上のリスク」や「業務効率」といった数字以外の要素になります。学習塾の現場視点で、それぞれのメリット・デメリットを深く掘り下げます。

パターンA:中古複合機購入のメリットと隠れたリスク

メリット

途中で解約・売却・買い替えが自由にできる(リースの縛りがない)。

・審査がないため、開業直後の個人塾でもすぐに導入できる。

・6年を待たずに閉塾や移転をする際、違約金が発生しない。

隠れたリスクとデメリット

・紙詰まりや印刷のカスレなどのマイナートラブルが、新品に比べて発生しやすい。

・いくら整備済みの「程度がよい」中古であっても、経年劣化による部品全体の寿命は新品より確実に短い。

・修理対応の際、型落ちモデルはメーカーの部品保有期間が切れるリスクがあり、6年間の後半(購入から合計して8〜9年経過した機械になるため)に修理不能となる可能性がある。

・万が一修理不能になった場合、再度別の機械を買い直す必要があり、結果的にトータルコストが跳ね上がる。

パターンB:新品6年リースのメリットと縛り

メリット

最新機種のため、印刷スピードが速く、スマホやタブレットからの直接印刷など塾運営に便利な機能が充実している。

・何より「故障率が圧倒的に低い」。繁忙期に機械が止まるリスクを最小限に抑えられる。

・メーカーのサポート体制が手厚く、部品の枯渇を心配する必要が一切ない。

・初期費用が0円のため、開校時の限られた資金を教室の改装費や生徒募集の広告費(チラシ・WEBマーケティング)に回すことができる。

リース料は全額経費処理できるため、会計処理が非常にシンプル。

縛りとデメリット

・原則として「中途解約ができない」。どうしても解約する場合は、残りのリース料を一括で支払う違約金が発生する。

・リース会社の審査があるため、創業間もない場合や決算内容によっては審査が通らないことがある。

6年の契約満了後は、再リース(格安で延長)するか、新しい機械で組み直す必要があり、自物の資産にはならない。

6. 実例から学ぶ!塾の規模・ステージ別お勧めルート

全国の学習塾のリアルな事例から、どのような塾がどちらを選ぶべきかの判断基準を明確にします。

ケース1:開校1〜3年目の個人塾、または生徒数30名未満の教室

結論:中古複合機の購入

開校初期は、数年先の生徒数や教室の存続自体の見通しが立ちにくい時期です。ここで6年リースという長期の固定負債を抱えるのはリスクが高すぎます。また、生徒数が少ないうちは月間の印刷枚数も2,000〜3,000枚程度に留まるため、新品リースの恩恵(カウンター料金の安さ)を十分に活かせません。まずは初期費用20万円前後で中古を買い、軌道に乗ったら買い替える戦略が賢明です。

ケース2:生徒数50名以上、または複数教室を展開する個別指導塾・集団塾

結論:新品6年リース

生徒数が50名を超えると、印刷枚数は月間5,000枚から1万枚を軽く超えるようになります。この規模になると、複合機は「インフラ」です。

講習前の大切な時期に中古機が頻繁に紙詰まりを起こしたり、故障で2日ストップしたりした際の損失(授業の質の低下、講師の残業代、精神的ストレス)は、年間数万円のコスト差を遥かに上回ります。圧倒的な安定性と低いカウンター料金のメリットを享受できる新品リースの一択となります。

7. 最終結論:あなたの塾が選ぶべきなのはどっち?

これまでの比較を踏まえ、最終的な判断基準をスクリーニング形式で提示します。

以下の項目に2つ以上当てはまる場合は、中古購入+保守が向いています。

・直近3年以内の教室の移転や閉鎖、規模縮小の可能性がゼロではない
・リース契約の審査に通るか不安、または余計な負債としてバランスシートに載せたくない
・月間の総印刷枚数が3,000枚以下と比較的少ない
・現金一括で20万円〜30万円を支払う手元資金に余裕がある

以下の項目に2つ以上当てはまる場合は、新品6年リースが向いています。

学習塾経営において、時間は最も貴重な資源の一つです。複合機のトラブル対応に追われる時間は、生徒への指導や保護者対応、塾のマーケティング活動を奪う時間そのものです。

コストの差が6年間でわずか4万円程度であるならば、その差額を「日々の安心感と授業運営のスムーズさ、そして講師陣のストレス軽減のための保険代」と捉え、多くの成長している学習塾は新品リースを選択しています。一方で、堅実にスモールスタートを切りたい、固定の縛りを嫌う経営であれば、信頼できる販売店から程度の良い中古を買い、しっかりとした保守を組むのが正解です。

あなたの塾の現在のステージと、これからの成長戦略に合わせて、最適な選択を行ってください。


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