新規開校時に見落としがちな掲示物の重要性!生徒募集と学習効果を高める秘訣

2025年06月24日

新規開校

学習塾や習いごと教室を新規開校する際、多くの新規オーナーさんは、設備準備、生徒募集に奔走することになります。意外と後回しにされがちなのが「掲示物」です。真新しい教室の壁は白く、新規開校らしい雰囲気が漂っています。

しかし、「たかが掲示物」と侮るなかれ。

教室内の掲示物は、生徒募集から生徒の学習意欲向上、そして保護者への情報提供に至るまで、多岐にわたる重要な役割を担っているのです。今回は、新規開校時にこそ力を入れたい掲示物の重要性と、具体的な掲示物の内容、そして作成に役立つツールについて徹底解説します。


なぜ掲示物が重要なのか?

掲示物は、教室の「顔」であり「声」でもあります。特に教室運営における掲示物は、それを見ることで生徒がもっとやる気を出したり、燃えて頑張る決意をしたりします。

保護者はもっと鋭いです。
教室内の雰囲気ムードなどは、一瞬で見抜くのです。
自分自身がまるで劇場の主人公のように人間力で保護者をリードすることが出来ればいいですが、最高級のパフォーマンスを身に着けるのは、一朝一夕にはできません。

したがって、掲示物に助けてもらう、そんな感覚でもいいので、掲示物は充実させていきましょう。

1. 教室の雰囲気づくりと第一印象の向上

生徒や保護者が初めて教室に足を踏み入れたとき、まず目にするのが掲示物です。明るく、整理整頓された掲示物は、教室全体の活気や教育への熱意を伝え、安心感を与えます。逆に、掲示物が全くなかったり、古くて汚れていたりすると、教室全体の印象を損ねてしまいかねません。

古さを売りにしたレトロショップとか、意図して古さを演出する昭和チックなお店であればまだしも、保護者はその場所に「生徒を預けられるか否かの判断」をするのですから、保護者の目を軽くみてはいけません。

様々なやり取りに長けている保護者は、雰囲気やムードを感じ取る嗅覚は私たち以上なのです。
また、魅力的な掲示物は、生徒が「ここで学びたい」と感じる第一歩になるのですから、適当に何か貼ってあればよいだろうという感覚にはなれません。

2. 生徒の学習意欲向上と目標設定の明確化

学習の進捗状況や目標達成度を可視化する掲示物は、生徒の学習意欲を大きく刺激します。
その具体的な方法として、もっとも有効なのは、

「疑似体験」「疑似経験」を「させる」ということです。

例えば「頑張れば報われる」という成功体験を共有することで、生徒はさらなる努力を重ねるようになります。
そうです。実は生徒たちは、過去そこに存在していた先輩たちの実際の成功体験であるとか、進路を自分自身にトレースするのです。

また、そういった先輩たちの足取りを参考にして自分なりの目標を明示化して、時期が来ると積極的に主体的に学習に取り組むようになります。

↑ この部分、けっこう強く主張したいところですが、うまく伝わりましたでしょうか。

それと、一つ重要な点を。

開校時期によっては、これらの先輩たちのデータを掲示するのは難しいとは思いますが、その点は変に取り繕うためのサンプル掲示をするよりは、しっかりと実績を出してから掲示をしたほうがいいでしょう。

そのようなサンプル掲示は、保護者は全部見抜きますし、そこで取り繕うことに力点を置く必要は全くありません。
これは合格掲示とか、点数アップ掲示もそうです。


新規開校が2月なのに、その段階で、すぐに合格者、成績UP者が出ないのは誰でもわかりますよね。
リニューアル開校とか、買収による開校と 完全新規の開校ではこの点が異なります。

何事も信頼関係!
づづいては、その信頼関係についても言及していきます。

3. 保護者への情報提供と信頼関係の構築

保護者は、教室での子どもの様子や学習状況に関心を持っています。教室のニュース、イベント情報、生徒の活躍などを掲示することで、保護者は教室への理解を深め、安心感を抱きます。定期的な情報発信は、保護者との信頼関係を構築し、教室運営への協力を促す上で不可欠です。

初めて教室を訪れる保護者には、教室内を見てもらいましょう。ぐるりと一周してもらっても「うちの教室は恥ずかしくない!」と いつでも言える状態にしておくことが大切です。

保護者は周りを見ながら歩いていきます。その際に前後左右にある掲示物をしっかりとみているのです。

生徒と保護者は少し視点が違うことにも気づくはずです。

・小学生のお子さんと保護者
・中学受験のお子さんと保護者
・中学1,2年生のお子さんと保護者
・中学3年生(受験生)のお子さんと保護者
・高校1,2年生のお子さんと保護者
・高校3年生(受験生)のお子さんと保護者

見ていると、それぞれどんなところに興味を持ってみているのかがわかるのです。人は興味あるものに自然と目を奪われるものだということです。

特に受験生の保護者と生徒さんは、過去の実績をとても気にします。
それが教室に掲示されていれば、自然と目で追うことになります。そのまなざしは本気さを漂わせているということも教室長(塾長)として気づきのポイントを得てください。

合格者の掲示は名前入りのものでもいいですし、学校名を羅列する形式でもいいです。

合格掲示


4. 講師間の情報共有と業務効率化

教室の理念、指導方針、緊急連絡事項などを掲示することで、講師間の情報共有をスムーズにし、指導の一貫性を保つことができます。これにより、講師間の連携が強化され、教室運営全体の効率化につながります。

この「理念」は重要度はかなり高いのです。
ですから、教室でサイトやブログをUPする際には、理念が明確に書かれていて、時折、理念の深堀をした内容が書かれていたほうがいいでしょう。


新規開校時に掲示したい具体的な内容

では、具体的にどのような内容の掲示物を準備すれば良いのでしょうか。ここでは、新規開校時に特に重要となる掲示物の例を挙げます。

1. 教室理念・教育方針(スローガン)

教室の最も根幹となる部分です。どのような理念に基づいて指導を行うのか、生徒にどのような力を身につけてほしいのか、教室としての拘りを明確に示しましょう。

  • 例: 「私たちは、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出し、自ら学ぶ喜びを育むことを目指します。」
  • 例: 「実力はできない問題を解けるようにすれば、すぐにUPする!」

このようなスローガンは、A4サイズ、またはB5サイズの用紙1枚に一文字というスタイルで書き、ラミネーターで仕上げるようにすると尚良いと思います。


↑ こちらは、用紙1枚に一文字でかかれたwordファイルです。
文字や色やフォントを変更すればいろいろ使えると思います。


2. 講師紹介

生徒や保護者が安心して学習に取り組めるよう、講師陣の顔と名前、簡単なプロフィールを掲示しましょう。趣味や得意なことなど、親しみやすい情報を加えるのも効果的です。

  • 例: 講師の顔写真、名前、担当科目、得意なこと、生徒へのメッセージ(メッセージは手書きのほうが人間味があふれていいと思います)

3. カリキュラム・学習プラン

提供する授業内容やコース、年間スケジュールなどを分かりやすく掲示します。保護者が具体的な学習イメージを持てるように、詳細を盛り込みましょう。

  • 例: 各コースの概要、受講料、授業時間、年間イベントスケジュール

4. 生徒の成果発表・成功事例

定期テストでの成績アップ事例や、資格取得、目標達成など、生徒の具体的な成功体験を掲示することで、他の生徒のモチベーションを高めます。個人情報に配慮しつつ、許可を得て掲示しましょう。
テストごとの許可では大変ですので、入塾・入会のときに、個人情報保護関連の書面にも署名をもらうようにすればいいでしょう。

  • 例: 「〇〇さん、中間テストで20点アップ!」、「△△君、英検3級合格!」、生徒の作品展示
  • 例: 「●●●●君 5教科425点!過去最高更新!」

5. 目標達成グラフ・進捗ボード

生徒一人ひとりの学習目標や、テストの点数、課題の進捗などをグラフやボードで可視化します。視覚的に自分の成長を確認できるため、生徒のやる気を引き出します。

  • 例: 漢字テスト合格者一覧、宿題提出状況グラフ、目標点数達成度チェックシート

6. 教室からのお知らせ・イベント情報

休校日、振替授業、保護者会、イベント開催など、教室に関する重要なお知らせを掲示します。掲示場所を固定し、定期的に更新しましょう。

  • 例: 今月の休校日、次回の保護者会日程、夏期講習のお知らせ

7. 規約・ルール

教室利用に関する基本的なルールやマナーを明記することで、トラブルを未然に防ぎ、快適な学習環境を保ちます。これは、講師各位の控えのようなところ(例えば講師更衣室とか控えブースのような場所)に貼っておくのも効果的です。
保護者もこういう掲示を見ることで安心します。

  • 例: 入退室時のあいさつ、持ち物、自習室利用のルール

8. よくある質問(FAQ)

入塾に関する疑問や、授業内容、料金体系など、保護者からよく寄せられる質問とその回答を掲示しておくと、説明の手間を省き、スムーズな対応が可能です。

  • 例: 入塾までの流れ、振替授業について、急な欠席の場合の連絡先

掲示物作成に便利なツール

以前はWordやExcel、PowerPointを使って掲示物を作成するのが一般的でした。しかし、最近はデザイン性の高い掲示物を手軽に作成できるツールが増えています。

特に注目したいのが**Canva(キャンバ)**です。

1. Canva(キャンバ)

Canvaは、デザインの専門知識がない方でも直感的にプロ並みのデザインを作成できるオンラインツールです。有料と無料のプランがありますが、サンプルで用意されているものが無料の場合がかなり限定的です。
しかしながら、無料プランでも十分にそれらしい内容の画像を仕上げることが出来ます。

  • 豊富なテンプレート: 教室のお知らせ、ポスター、チラシなど、目的に応じた数多くのテンプレートが用意されています。これらを活用すれば、デザインに時間をかけることなく、プロフェッショナルな掲示物を簡単に作成できます。
  • 直感的な操作性: ドラッグ&ドロップで画像やテキストを配置でき、フォントや色の変更も自由自在です。誰でも簡単に操作できるため、デザインが苦手な方でも安心して利用できます。
  • 豊富な素材: 無料・有料の画像、イラスト、アイコンなどの素材が豊富に用意されています。これらを活用することで、視覚的に魅力的な掲示物を作成できます。
  • 共同編集機能: 複数のスタッフで協力して掲示物を作成することも可能です。チームでの作業効率が向上します。
  • 印刷・共有: 作成した掲示物は、高画質でダウンロードして印刷したり、SNSで共有したりすることができます。

Canvaを活用することで、デザインにかかる時間と労力を大幅に削減し、その分、カリキュラムや生徒指導に注力することができます。

2. Word, Excel, PowerPoint

もちろん、従来から使われているこれらのツールも、掲示物作成に十分活用できます。

  • Word: 文字情報が多いお知らせや、シンプルなレイアウトの掲示物に適しています。
  • Excel: 成績一覧や進捗管理など、データを整理して表示したい場合に便利です。グラフ機能を活用すれば、視覚的に分かりやすい掲示物も作成できます。
  • PowerPoint: ポスターやイベント告知など、視覚的な訴求力を高めたい場合に有効です。図形や画像、アニメーションなどを活用して、動きのある掲示物も作成できます(ただし、印刷する際は静止画になります)。

これらのツールも使いこなせば、十分魅力的な掲示物を作成できますが、デザインの自由度や手軽さではCanvaに軍配が上がると言えるでしょう。


掲示物を効果的に活用するためのポイント

掲示物を作成したら終わりではありません。効果的に活用するためのポイントを抑えましょう。

1. 掲示場所の選定

生徒や保護者の目に触れやすい場所に掲示しましょう。

  • 入口付近: 教室の顔となる掲示物を。
  • 待合スペース: 保護者が目にする情報や、教室からのお知らせを。
  • 各教室の壁: 学習目標や進捗ボード、生徒の作品などを。
  • 講師室: 講師間の情報共有のための掲示物を。

2. 定期的な更新とメンテナンス

古い情報や色あせた掲示物は、かえってマイナスイメージを与えてしまいます。定期的に内容を見直し、新しい情報に更新し、清潔に保ちましょう。

  • 例: 毎月〇日に更新、破損があればすぐに修復

3. 統一感のあるデザイン

教室全体のブランドイメージを考慮し、掲示物のデザインに統一感を持たせましょう。フォントや配色を揃えることで、よりプロフェッショナルな印象を与えられます。

4. 生徒参加型の掲示物

生徒自身が参加できる掲示物を取り入れることで、愛着が湧き、より効果的な掲示物となります。

  • 例: 「今月の目標」を生徒が書き込む、作品を展示するコーナー

5. インタラクティブな要素

QRコードを掲示物に記載し、スマートフォンで読み込むと詳細情報や関連動画にアクセスできるようにするなど、インタラクティブな要素を取り入れるのも良いでしょう。


まとめ

新規開校時、つい後回しになりがちな掲示物ですが、その重要性は計り知れません。魅力的な掲示物は、教室の雰囲気を高め、生徒の学習意欲を引き出し、保護者との信頼関係を築き、最終的には生徒募集と学習効果の向上に大きく貢献します。

Canvaのような便利なツールを積極的に活用し、効果的な掲示物を設置することで、新規開校を成功させ、生徒と保護者に愛される教室を築き上げてください。掲示物は、単なる情報の伝達手段ではなく、教室の想いを伝え、生徒の成長を後押しする強力なパートナーとなるはずです。

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