今まで500人以上の教室長候補者面接を行ってきてわかったこと!この人を採用すべき!

学習塾経営における最大の転換点は、初年度を終えた2年目以降に訪れる複数校舎開校に対しての検討段階から始まります。
間違いなく2校舎目の展開から色々変化してくるのです。
1校舎目であれば、経営者自身の情熱とマンパワーで押し切ることが可能です。
しかし、2校舎目からは物理的に自分が不在の時間が発生します。
その不在を埋めるのが「教室長」という存在です。
これまで500人以上の教室長候補者と対峙し、採用し、時には失敗し、時には大成功を収めてきた経験から断言できることがあります。
塾経営の成否は、教室長のスキルセット以前に、その人物の「根底にある思考回路」で決まります。
この記事では、
複数校舎展開を成功させるために、どのような人物を教室長として採用すべきか。その本質を徹底的に分析していこうと思います。
塾経営のフェーズ変化と教室長の役割
学習塾の運営が2年目に入り、1校舎目が軌道に乗ると、経営者の意識は拡大へと向かいます。
ここで多くの経営者が陥る罠が、自分と同じ熱量や能力を他人に求めてしまうことです。
1校舎目の成功体験は、往々にして経営者自身の「カリスマ性」や「ハードワーク」に基づいています。しかし、2校舎目を任せる教室長に同じカリスマ性を求めても、そう簡単には見つかりません。仮に見つかったとしても、その人物はすぐに独立してしまうでしょう。
したがって、2校舎目以降の経営で必要なのは、経営者の分身ではなく、経営者の意図を「再現性のある形」で現場に落とし込める人物です。
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【実例(実話)】
まず第一に、「山より高いイノシシはいない」と言う言葉。
これはかつての上司がよく言っていた言葉で耳に残っているものです。最初聞いたときに、山より高いイノシシ??そんなものいるはずがないじゃないか・・と頭の中で大きなイノシシを想像しつつ思ったものです。
でも後に、この意味は単純明快でわかりやすく表現しているだけであって、実際には経営者(雇用する側)と社員(雇用される側)とでは「想いそのものに大きな差があるよ」という意味なのだとわかりました。
経営者が思う以上に、リーダーが思う以上に崇高な考えを抱く人はそうそういないものです。これはサラリーマンとして歩んできた経験、経営者として歩んできた経験の中で、「確かにそうだな・・・」と妙に納得してしまうことなのです。
そして、この言葉はいろいろ派生させることが出来ます。
その一つが、自分の完全瓜二つの分身をつくろうとしてはいけないということにつながります。
自分と同じ熱量や技量、そして想いや能力を部下に求めすぎてはいけないということです。
これはこれで、初期の血気盛んな時代は、つらいものがありました。
「なんで俺が言ったとおりやらないのだろう」というようないら立ちです。
ですが、部下も人間であり、もともとは赤の他人です。育った環境も教わってきた道徳や倫理観も異なるかもしれません。そして仕事をするようになった大人ですから、自分なりの生き方、ポリシーを持っていることでしょう。
同じように、まるでコピーしたように「やる」「やらせる」のは無理があるということをだんだんと悟っていくことになります。
そうです。あまりにもコピーを求めすぎた過去は失敗の歴史だったということです。
人間性、その人が持っている性格、得手不得手などをしっかりと見てあげて、その人にあった営業手法であるとか、その人が持つ雰囲気を損なわないアドバイスをしたほうが能力として発揮させることが出来ることに気づいた、それが運営中期からです。
指示と実行のギャップを埋める能力
「指示を出せば人は動く」というのは経営者の幻想です。
部下は機械ではありません。感情があり、独自の解釈を加える生き物です。
経営者が「校門配布を1000枚やっておいて」と指示を出したとき、ある人は「配り切ること」を目的とし、ある人は「ターゲットに手渡すこと」を目的とします。
採用すべき人物は、この「指示の意図」を正確に汲み取り、かつ、その結果を数値や客観的事実で報告できる誠実さを備えている必要があります。
採用すべき人物の共通点1:高い「当事者意識」の正体
面接で「やる気があります」「子供が好きです」と言う候補者は五万といます。
しかし、それらは教室長としての適性を保証するものではありません。
採用すべき人物が持っているのは、抽象的なやる気ではなく、具体的な「当事者意識」です。
当事者意識とは、教室で起きたすべての事象を「自分の責任」として捉える能力です。
他責にしない思考回路
例えば、面接で前職の退職理由を尋ねた際、
「生徒が集まらなかったのは立地が悪かったからだ」
「会社の方針が現場を理解していなかった」
と答える候補者は、まず採用すべきではありません。
逆に、
厳しい環境下であっても「立地が悪かったので、自らポスティングのルートを改善し、近隣の小学校での認知度を50%まで上げる努力をしました」と語れる人物は、2校舎目を任せるに値します。
経営者が不在の校舎では、予期せぬトラブルが毎日起こります。講師の欠勤、保護者からのクレーム、備品の破損。
これらに対し、「社長に確認します」と丸投げするのではなく、その場で最善の判断を下し、事後報告として「こう判断して処理しました」と言える人物こそが、組織を強くします。
簡単に言えば、一国一城の主意識 です。
その教室、その校舎の中における最高責任者は、教室長ですから、自分の城のつもりできりもみをしつつ、各種指示を的確に講師に与え、生徒や保護者とのやり取りにも責任もって対応していくという姿勢をもった人。
こういう人を是非見出してほしいです。
その見出し方は、「質問」に対しての「回答」から分析してみてください。
他責ではなく自責、これは人間だれしも賞賛は自分に、責めは他人にという気持ちが防御的に働くのでかなり難しいです。
ですが、いるのです。
こういう人が。
もしこのような人を採用できたならば、必ず校舎・教室の発展に寄与することでしょう。
採用すべき人物の共通点2:数値管理と感情ケアの両立
塾の教室長には、二つの相反する能力が求められます。
売上や通塾生数、季節講習の受講率といった「冷徹な数値管理」と、生徒や講師、保護者のモチベーションを支える「温かい感情ケア」です。
数字化できない言葉を信じない
「生徒たちのために頑張ります」という言葉は美しいですが、経営においては危険です。
本当に生徒のためを思うなら、生徒の成績推移を数値で把握し、志望校とのギャップを具体的な得点で算出し、それを埋めるための授業コマ数を提案できなければなりません。
採用すべき人物は、面接のやり取りの中で、自分の実績を必ず「数字」で語ります。
「昨対比で120%の生徒数に増やしました」
「退塾率を5%以下に抑えました」
もしその人物が他塾の経験者であれば、数字で語ることが出来ているかどうか この部分にフォーカスを当てて分析してみてください。
こうした定量的な感覚を持っている人物は、経営者の意図をKPI(重要業績評価指標)として理解してくれます。
講師を動かすリーダーシップ
一方で、教室長は「自分一人で動く人」であってはいけません。
塾の授業の大部分を担うのはアルバイト講師です。講師たちが「この教室長のためなら、もう一踏ん張りしよう」と思えるような、人間的な魅力やコミュニケーション能力が必要です。
指示を出して終わりにするのではなく、講師が動いた結果に対して「ありがとう。君のおかげで生徒の顔つきが変わったよ」とフィードバックを送れる人物。
こうした「心理的安全性」を現場で作れる人物を採用することで、離職率が下がり、結果として経営が安定します。
採用すべき人物の共通点3:謙虚な「チェック機能」の受け入れ
2校舎目以降の経営で、経営者が最も苦労するのが「管理」です。信頼して任せることと、放置することは違います。
採用すべき人物は、経営者からのチェックを「疑われている」と捉えず、「品質管理のための必要なプロセス」と捉える謙虚さを持っています。
PDCAを回せる素直さ
面接の段階で、あえて少し厳しい質問や反対意見を投げかけてみてください。
その際の反応が、採用の大きな判断材料になります。
ムッとした表情を見せたり、過度な自己防衛に走る人物は、採用後に経営者の指示を無視したり、自分流のやり方に固執してブラックボックス化させる恐れがあります。
逆に、
「なるほど、その視点は欠けていました。具体的にどう改善すればよいでしょうか」
と食らいついてくる人物は、
成長スピードが速く、多校舎展開における良きパートナーとなります。
面接という現場で、やたら正義感を振りかざしてくる人物は、自分自身の考えが否定されたり、反論を持ち出されると顔に出ます。目にも出ます。
面接者であるオーナーは、よく観察してみてください。
面接という一番最初の「現場」でそのような兆候が出てしまう人物は、おそらく一か月しないうちに、本性を現してきます。
このタイプは絶対に採用してはいけません。
採用面接で見抜くべき「決定的な一言」
500人を面接して導き出した、採用すべき人物が見せるサインがあります。
それは、過去の失敗談を求めたときの回答に現れます。
「これまでで最大の失敗は何ですか? そして、そこから何を学びましたか?」
この質問に対し、単なるエピソードを話すだけでなく、
「自分のどの行動が原因で失敗を招いたのか」という因果関係を客観的に分析し、現在の行動指針にまで昇華させている人物は、間違いなく「買い」です。
塾という教育現場は、理不尽の連続です。
成績が上がらないことを塾のせいにされることもあります。
その際、感情に流されず、事実に基づいて改善策を提示できる冷静沈着な人物こそが、教室長として長く活躍してくれます。
結論:誰をバスに乗せるか
ジム・コリンズの言葉を借りるなら、経営において最も重要なのは「まず適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろすこと」です。
特に2校舎目という、
経営のレバレッジが利き始める繊細な時期においては、スキルよりも「スタンス(姿勢)」を重視すべきです。
採用すべき人物の条件をまとめます。
- 自らの行動と結果に責任を持つ当事者意識がある。
- 目標を数値で捉え、そこに至るプロセスを論理的に構築できる。
- 他者の感情に配慮しつつ、組織として動かすリーダーシップがある。
- 経営者のフィードバックを素直に受け入れ、改善に繋げる柔軟性がある。
こうした人物に出会えたなら、多少の給与条件を調整してでも確保すべきです。
彼らこそが、あなたの理想とする教育を、あなたの目の届かない場所で実現してくれる唯一の存在なのです。
2校舎目の成功は、技術の伝承ではなく、哲学の共有から始まります。妥協のない採用こそが、多校舎展開への最短距離であることを忘れないでください。

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