【学習塾・習い事】2年目からの多店舗展開を成功させる!ドミナント戦略と「人財」育成の秘訣
独立して、事業がスタートすれば、学習塾や習い事の経営に限らず最初の一年目は、あっという間に過ぎ去り自分自身が遮二無二奔走してきたことを回顧することでしょう。
最初の1年目を乗り越え、いよいよ2年目以降が、「成長フェーズ」です。教室を開校させるための初期費用は、飲食や内装工事に大きくコストがかかる事業に比べると、加速させやすいです。よって、次のステップとして多店舗展開が視野に入ってきます。
しかし、ただ店舗数を増やせば良いというわけではありません。持続的な成長を実現するためには、やはり強固な組織基盤と人材育成が不可欠です。
人が人を育てるというのは、特にビジネス上においては絶対必要要素で、それは自分の気持ちの全開度合いによって、伝わる、伝わらないが決まる部分もあるのです。
よく「人、モノ、金、情報」と言われますが、この順番でもわかるように「人」は最も大切な要素だといえます。
この記事では、2年目以降の学習塾や習いごと教室のオーナーが、どのようなことに注意しながら進めていくべきなのかを実例を交えてお伝えします。
それでは、
まず最初に「ドミナント」についてです。
なぜ2年目からの多店舗展開で「ドミナント戦略」が初期展開に有効なのか
多店舗展開の序盤において、私たちはドミナント戦略を強く推奨します。これは、特定の地域に集中して複数の教室を展開する手法です。
この戦略の最大のメリットは、地域内でのブランド認知度と市場シェアを効率的に高められる点にあります。
例えば、半径数キロ圏内に複数の教室を構えることで、看板や口コミによる相乗効果が生まれやすくなります。
また、資材の共有やスタッフの相互応援など、運営面での効率化も図れます。初期段階で資金やリソースが限られる中で、地域密着型の強固な基盤を築くことは、その後の広域展開に向けた強力な足がかりとなるでしょう。
【実例(実話)】
沿線沿い、隣り合わせの場所に2号教室を出しました。二年目を迎えた後のことです。ふと「教室をもう一つ増やしたいな」そう思ったのがきっかけでした。
思い立ったが吉日で、その日から業務の合間にアットホームや、ホームズ、その他のサイトで「貸事務所」を検索していったのです。
最初は、距離的にバイクで20分程度の距離のところなら大丈夫だろうということで、少し離れた場所を探したのですが、たまたまふと思ったのです。「近くのところ、なんなら隣駅とかどうなのだろう?」
もう一瞬でしたね。その物件の画像とか金額、ロケーションを見て、「これだ!!」とピンときたのです。
自分で言うのもなんですが、とても早かったです。
その後1分もたたないうちに、すぐに扱っている不動産会社に連絡をとり、すぐに内見に行きました。外から見た外観の様子、内部が完全に事務所仕様で、タイルカーペットもきれいに敷かれており、エアコンは天吊りタイプ(埋め込み)が設置されていていました。
ふわっと、何もない空間で目をつぶり、そこに学習用の机や自習用のブースがセットされるのを想像してみたのです。
すぐに申込書にサインをしました。
このとき選んだこの物件は完全にドミナント出店です。何しろ駅から駅までの電車の移動時間は1分でしたので。
のちにこの選択は大正解で、
ドル箱の教室へと育っていったのです。(この続きについてはまた後程機会改めて述べてまいります)
ここで成功に至るポイントがいくつかありました。
①既存はオーナー、2号教室を新人教室長の戦略
ふつうは逆ですよね。
一番業務に長けているオーナーが2号教室の立ち上げを行い軌道に乗せていくという流れだと思います。
ところがあえて逆でやったのです。
新規開校=新人の教室長 この組み合わせは悪くないのです。
まず、新規開校時には、新聞折込やポスティング、その他の手段で広告を実施しますが、「新規開校」という響きは保護者にもイメージよく刺さります。
内部は当然きれいですし、人もフレッシュ感がある!そういう意味で新人教室長とか新人講師は、保護者からみれば、「すれていない感じ」がして、余計に安心感を持つのです。
これは実際やってみたらわかりますが、
保護者は、教室責任者のとんでもない知識に惹かれて入塾・・・というのはあまりありません。
2年、3年、5年とやっていれば誰でも自然に知識豊富になります。
多くの保護者は、「誠実さ」「実直さ」があれば、人に対しての不満はさほど持たないのです。
それよりも「体験授業」での生徒の満足度であったり、明るさ、元気よさという部分のエモーショナルのところを感覚として感じ取るのです。
ですから、あまりにもすごい知識をひけらかすやり方をすると、かえって保護者がひいてしまうという現実もあるのです。
説明がたどたどしくても誠意をもって実直に対応しているほうが好感度はUPするということです。
②管理がしやすい(←これが一番かも)
教室運営をして、2号、3号と教室が増加していくると、オーナーとしての役割は、教室全体の管理になってきます。当然、自分の身体を動かして、教室巡回をしたり、それぞれの教室の不足対応をしたりと、黒子に徹して教室をサポートするという役割が多くなってきます。
その際、あまりにも教室と教室の距離が遠いと移動時間が業務の中でカウントされますので、非常にもったいない時間の使い方になってしまいます。
【実例(実話)】
ではここでもう一つ実話をご紹介いたします。
遠い教室でした。実際の距離でいうと、片道30キロぐらいです。往復で60キロ。機動力を生かしてバイクで移動していましたが、それでも片道移動時間が50分程度でした。
往復で100分です。
1時間40分。
この時間があれば、もっと違うことが出来るかもしれません。
また、雪だとか台風になると、それだけで移動時間がもっと増えてしまいます。効率的に感がるとあまりよくないですね。
例えば10店舗とか20店舗のオーナーさんでしたら、こんなのは何でもないことだと思いますが、やはり新人経営者をもうすぐ脱皮するかも!という2年目ぐらいの経営者でしたら、業務効率は最大によくしておきたいものです。
さて、実話ですが、
「パンク」です。
車もそうでしょうけれど、ゴムタイヤで動くものは、パンクしたらもう止まるしかないのです。
どう考えても、15キロぐらい走行した後、中間地点ぐらいでのパンクでした。さすがにこれは途方にくれました。
あとは、雪ですね。午前中は普通だったので、出発したはいいですが、午後から雪になり帰宅時にかなり困ったことになりました。
これらのトラブルは遠い場所だからというわけではありませんが、後処理には想像以上の時間がかかりました。
とは言えこの遠方教室も、初年度から良い感じで生徒さんも集まったため、失敗ではないのですが、業務以外での不都合要素がけっこうあった・・・という内容です。
さて、それでは「人」の話に戻りましょう。「人材」が「人財」だと感じられる瞬間があれば、組織運営の拡大スタートです!
成長の鍵を握る「人財」の重要性
多店舗展開を成功させる上で、最も重要と言えるのが人財です。
上記のように、「これだ!」という物件が見つかったとしても、そこを担う人材がいなければ箱ものだけが宙に浮いてしまいます。
特に、最初の教室を軌道に乗せた後、次の教室を任せられる「人財」の存在が不可欠になるのです。
今まであなたが培ってきたノウハウや理念、ポリシー、こだわりを理解し、自律的に教室運営を担える人材がいなければ、オーナーであるあなた一人の力で複数の教室を管理するのは困難を極めるでしょう。
逆に言えば、オーナーや代表のノウハウを吸収しようとする意気込み、ポリシーやこだわりを理解してくれる柔軟性、積極的に教室運営に精力的にとりくんでくれる姿勢があれば・・・そういう人材との出会いになれば・・それはまさしく「人財」になるのです。
人は財産というのは、本当だなぁと思える瞬間があるでしょう。
組織の力を感じることが出来るのは、自分以外に従業員がいたときに、同じ時間帯で効率よく2倍以上の仕事量がこなせているときです。2年目以降に考える組織拡大や2号教室出店において、人材育成はものすごく重要だといえます。
そして、会社であれ、個人事業主であれ、従業員を雇ったその瞬間から労務管理というものがスタートします。給与の支払いも発生します。
そういった、自分以外の従業員の生活を支えていく義務みたいなものも、親心的に生まれてくるかもしれません。
これがまた一つ、自分を成長させてくれるものだととらえていきましょう。
まずは、
「あの教室ならこの人に任せられる」という絶対的な信頼を置ける人物を見つけること。そして、その人物を社員として迎え入れ、共に目標に向かって進むパートナーシップを築くことが、事業拡大の第一歩となります。
これは「出会い」です。
その際、どのようなところで人材募集をすればいいのか、これもまた悩みます。
基本的に意志を同じくして業務に携わってくれる人というテーマで探していくとなると、やはりアルバイトではなく、正社員募集ということになります。
また、フランチャイズの場合は、アルバイトが教室長業務を担うということはNGだとするところもありますので、(実際これは当然だと思いますが)注意してください。
募集の媒体であるとか、
何が効果的なのかということについてものちに言及していきます。
オーナーと教室長の「タッグ」で目標を共有する
初めての社員として教室長(塾長)を雇う際、重要なのはオーナーとしてのあなたと教室長が強固なタッグを組むことです。
単なる雇用関係に留まらず、共通の目標を掲げ、同じ方向を見て前進するパートナーシップを築きましょう。
そのためには、オーナーであるあなたが培ってきたノウハウを余すところなく従業員に与えることが不可欠です。
指導法、生徒募集戦略、保護者対応、さらには教室の雰囲気作りや経費管理に至るまで、あなたの「こだわりポイント」を言語化し、具体的に伝えていくのです。これにより、教室長はあなたのポリシーを深く理解し、オーナーの分身として自信を持って教室運営に当たることができるようになります。
あなたが築き上げてきた「理念」や「価値観」を共有することで、各教室が独立しながらも、ブランド全体としての均一なサービス品質を保つことが可能になります。これは、顧客からの信頼獲得にも直結します。
【研修のやり方】
学習塾の経営がスタートしたばかりは、組織体も大きくはありません。ですから限られた予算の中で運営していくことになります。
研修においても大規模にやろうとすると相当のコストがかかりますので、ここはOJT教育で、現場で日々指導しながら教えていくことが出来れば一番それが仕事を覚える近道になるはずです。
※OJTとは、On-the-Job Trainingの略で勤務している職場内で、実際の業務をしながら職務を覚えてもらう方式です。
学習塾や習いごと教室は、どうしても季節性があります。
春夏秋冬と一年間を季節で分けて考えると、それぞれの時期に重要なイベントがありますので、座学的に、研修のページをめくって説明していくよりも都度教えていくことのほうがわかりやすいです。
そのかわり、OJTであっても
進行するためのレジュメや、ポイントをまとめた書面、実際のシステム操作の手順を書いた書面などはあったほうが良いです。
また、もっと重要なのは、「メモをとらせること」です。
最初からメモも取らずに、ただ聞くだけの人だとしたらなるべく早めに諭して「なぜメモを取る必要があるのか」ということを事例を入れながら話してあげると理解してくれます。
面接のときでも、その後の仕事でもそうですが、
ビジネス上「メモ」を取ることは、心構えとしては基礎的かつ重要だと思います。
2教室目の成功がもたらす「加速」
最初の教室が軌道に乗り、そして2教室目も教室長の活躍によって順調な運営が実現すると、その後の展開は驚くほど加速します。
2教室目の成功は、あなたにとって「再現性」があることの証明になります。
この成功体験は、さらなる多店舗展開への自信となり、金融機関からの融資や新たな人材採用においても有利に働きます。また、成功事例を具体的に示すことで、次の教室長候補者への教育や育成もスムーズに進められるようになります。
ここで登場する金融機関からの融資というキーワードにおいても経営では切っても切り離せないものですので、こちらの2年目以降の教室運営の記事を是非今後もご確認ください。
最初の2つの教室で培ったノウハウと人材育成の仕組みが、まさに次の成長フェーズへの強力なエンジンとなるのです。
2年目以降は、この成功体験を基盤に、より広範囲での展開や、新たなサービス展開なども視野に入れ、盤石な組織体制で事業拡大を目指していきましょう。
教室を多店舗展開する際に、新規で開校するか、譲渡案件から見つけ出すか!?
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この2つで悩むかもしれません。
それぞれのメリットとデメリットを加味して、自分なりのインスピレーション、ひらめきも大切にしながらときには、専門家のアドバイスを受けて検討してみてください。
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