少子化の時代における塾経営戦略:非常識を常識に変え、未来の『人材(人財)』を育成する
日本の社会は今、少子化という大きな波の中にあります。しかし、この波は必ずしも塾業界にとって逆風ばかりではありません。むしろ、この変化を好機と捉え、新たな発想と戦略で未来を切り拓くことができる時代が到来したとも言えるでしょう。
基本の考え方は人財です。ここでは人材を「人財」という当て字で記事を書いてまいります。
この記事は、塾経営を考えている個人の方、塾経営への参画を検討中の法人の方、そして数多くあるフランチャイズの中からどんな業種を選んだらいいのだろうと悩まれている脱サラ希望の皆様へ、少子化時代における塾経営の新たな可能性と、私たちCROSS M&A(クロスM&A)が提供するサポートについてお伝えします。

少子化時代に逆行する教育費の向上と「人財育成」への意識変革
少子化が進み、右肩下がりのグラフを目にしますが、それと反比例して右肩上がりになっているのが、「子供一人あたりにかける教育費の割合」です。こちらは年々増加の一途を辿っています。
景気は悪い、緊縮経済だといわれる中でもわが子に手厚い教育を受けさせたいという思いがあるのでしょう。教育への投資意欲はむしろ高まっているととらえることが出来ます。
そして今、グローバル化が加速する現代において、「世界に通用する人材(人財)」の育成は、教育現場における喫緊の課題となっています。多様な価値観を理解し協働する能力を身に着けるために、思考力、判断力、表現力などの応用的な力を育成していくことの重要性が叫ばれているのです。
これは、日本であれば文科省が作成している学習指導要領を紐解いていくと、明確にそのスタンスがわかります。
このような背景から、塾に求められる役割も大きく変化しています。これまでの「学校の補完」という位置づけから、「未来を生き抜く力を育む場」へと、その存在意義は格段に高まっているのです。
まさに文部科学省が作成しているガイドラインにある「生きる力」を学習の現場を通してどのようにインプットしていくのかという部分です。
「非常識」が「常識」となる塾経営戦略
通常は非常識なことは非常識です。常識は常識なのですが、かつては非常識であったものは、今はスタンダードになっている・・・というようなことは周りを見回せばたくさんあります。
その大昔、ネットで商品を売るなんて!そんな時代もありましたね。しかし、今は日本だけではなく世界のスタンダードモデルとなっています。Amazonがここまで大きな企業になったのもそんな非常識を常識化した流れからだと思います。
時代は日進で変化している!このような大きな変化の中で、従来の常識にとらわれた経営戦略では、激しい競争を勝ち抜くことはできません。今こそ、「非常識」とも思えるような大胆な発想が求められています。
1. 「学びの場」の再定義と拡大:塾はもはや「教える場所」だけではなく、様々な付加価値の提供が考案される可能性が高い
従来の塾は、学校の授業の予習復習や受験対策といった「教える」ことが主な役割でした。しかし、これからの塾は、もっと多様な「学びの場」として機能していくべきなのかもしれません。
- 探究学習・STEAM教育の導入: 知識の暗記だけでなく、自ら課題を見つけ、解決策を探究し、創造する力を育むプログラムは、これからの時代に不可欠です。ロボットをつくったり、プログラミングを学んだり、プレゼンテーションの機会を多く与えるなど、体験型の学びを積極的に取り入れるのはその流れの一環とも言えます。
ちなみに、STEAMというのは、科学・技術・工学・芸術・数学の5つの英単語の頭文字を組み合わせた造語です。
科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)。芸術・リベラルアーツ(Arts)、数学(Mathematics)の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念で、これらをブル切りで学ばせるのではなくて、これらを分野横断的な学ばせる教育方式のことです。
今、学校のテストや入試問題でも学年横断型どころか、教科横断の時代です。
今年1月実施の共通テストで化学の問題で古文が登場するなど、問題を作成する側も様々な試みを実施しているのかもしれません。 - コミュニケーション能力・非認知能力の育成: 2020年のコロナのパンデミックから、コミュニケーション能力、協調性、リーダーシップなど、社会で生き抜く上で重要な非認知能力を向上させるプログラムが重要視されてきました。マスク文化というのでしょうか・・・感情の表現が表情が見えない中でコントロールしにくくなっているという指摘もあり、感情のコントロールや目標設定など、メンタル面へのサポートも視野に入れることで、生徒の自己肯定感を高めていこうとするものです。
- キャリア教育・起業家教育: 小中学生のうちから将来のキャリアを考える機会を提供し、様々な職業に触れることで、生徒自身の興味関心を引き出し、将来の夢を具体化する手助けをします。場合によっては、ミニ起業体験など、実践的な学びを取り入れることも有効です。
日本は世界から見ても「起業意欲」が低いといわれています。
例えば中国などでは、「起業するのは当たり前」の感覚があり、サラリーをもらうのは将来の自分の起業のための一時的なものだとと考えている人たちが圧倒的に多いようです。
経済の流れであるとか、会社とは何なのか、為替相場や株式相場はどういうものなのか、という部分、おそらく今はこういうのは「非常識」ととらわれる内容かと思いますが、将来的にはこれが常識になってくるかもしれません。 - 多世代交流の場: 子供だけでなく、保護者や地域住民も巻き込んだ学びの場を創出することも考えられます。例えば、保護者向けのワークショップ、地域貢献活動、異文化交流イベントなどを開催することで、塾が地域コミュニティのハブとなり、新たな価値を生み出すことができます。
これは、当方で採用の講師がその重要性を謳っていました。
「子供だけじゃなくて親御さんにも学んでもらう機会を設けるために、親御さんのための授業というのをやってみたいのです」と。
最初その話を伺ったときはピンと来なかった部分もあるのですが、今ではその意味がよくわかります。 - オンラインとオフラインの融合: デジタル化が加速する現代において、オンライン学習の活用は必須です。しかし、それだけで完結するのではなく、オンラインでの学びを深めるためのオフラインでの対面指導やグループ活動を組み合わせることで、より効果的な学習体験を提供できます。バーチャルリアリティ(VR)や拡張現実(AR)を活用した没入型の学習体験も、近い将来、一般的な選択肢となるでしょう。すでに仮想空間での学習は数多く存在します。マインクラフトなどのゲームを使った教育も実践されているなど、自由度が高まっています。
2. 「個別最適化された学び」の徹底:AIが教育をパーソナライズする
少子化だからこそ、一人ひとりの生徒に徹底的に寄り添い、その子に最適な学習プランを提供することが求められます。AI(人工知能)の進化は、この「個別最適化された学び」を現実のものにします。
- AIによる学力診断と個別カリキュラム作成: AIが生徒の学習履歴、得意分野、苦手分野を詳細に分析し、その子に最適な学習コンテンツや演習問題、進度を提案します。これにより、生徒は無駄なく効率的に学習を進めることができます。
- アダプティブラーニング: 生徒の理解度や習熟度に合わせて、学習内容や難易度をリアルタイムで調整するアダプティブラーニングシステムを導入することで、つまずきを早期に発見し、適切なサポートを提供できます。
- デジタルドリル・ゲーミフィケーション: 学習意欲を高めるために、デジタルドリルやゲーミフィケーションを取り入れることも有効です。ゲーム感覚で学習を進めることで、生徒は飽きることなく、楽しみながら知識を習得できます。
- 保護者への詳細な学習レポート: AIが分析した学習状況や進捗を、保護者に詳細かつ分かりやすくレポートすることで、家庭での学習サポートやコミュニケーションを促進します。
AIの進化はこれからとどまることなく、発展し続けていく予想があります。世界のビッグ企業でAIに着目していない企業はありません。
ここまでのムーブメントが一過性であるはずがなく、これはまさしく最終産業革命といってもいいぐらいです!
各企業、各会社が独自のAI技術を開発するのではなく、ツールとして使う時代ですから、その使い方も多岐にわたるでしょう。
これからはもっと面白い時代になるかもしれません。
3. 「専門性の追求」と「ニッチ市場の開拓」:強みを明確にする
大手塾との差別化を図るためには、特定の分野に特化したり、独自の教育メソッドを確立したりすることが重要です。
- 特定教科に特化: 英語、数学、プログラミングなど、特定の教科に特化し、その分野で圧倒的な専門性と実績を築くことで、その分野に強いニーズを持つ生徒や保護者から選ばれる塾となることができます。
- 受験戦略の多様化: 従来の一般入試だけでなく、AO入試や推薦入試、海外大学進学など、多様な入試形式に対応した専門的な指導を提供します。小論文指導や面接対策、ポートフォリオ作成サポートなど、きめ細やかな指導が求められます。
- 発達特性に合わせた指導: ADHDや学習障害など、発達特性を持つ生徒への個別指導に特化することも、新たな市場を開拓するチャンスです。専門的な知識と経験を持つ指導者による、丁寧で配慮の行き届いた指導は、多くの保護者から求められています。
- 特定のスキル育成: 「ロジカルシンキング」「クリティカルシンキング」「デザイン思考」など、学校教育では十分にカバーしきれない、将来社会で役立つ実践的なスキル育成に特化するのも有効です。
ニッチというのは狙うべきだと思います。
学習塾の広告をご覧になったことはありますでしょうか。
どこも似た感じ・・・どれを選べばいいのだろう・・・多分5社とか資料請求したら、もうどれがどれだかわからなくなります。
どの学習塾も「成績を上げます!」「合格率は〇%」「合格者数〇名」これを何十年もやっていますが、この広告の渦の中にいる消費者は、これを100%信用する時代・・・ではないように思うのです。
ですから、光り輝くブランディングをどう演出していくのかがこれからのポイントで、
もしかすると、その自由な発想を基にした新しい塾づくり、新しい教室づくりというのは、大ヒットする可能性があるのです。
なぜなら、みんな似たり寄ったりだからです。
したがってこの部分がこの記事でも密かに、こっそりと強調したいことなのです。
4. 「ブランディング」と「情報発信」の強化:塾の魅力を伝える
少子化時代において、塾は「選ばれる存在」でなければなりません。そのためには、自社の強みや魅力を明確にし、効果的に情報発信していくことが不可欠です。
- 独自の教育理念・ビジョンの明確化: どのような子供たちを育てたいのか、どのような未来を創造したいのか、明確な教育理念とビジョンを持つことで、共感する保護者や生徒が集まります。この理念というのは、サイトなどで常に情報発信していくといいです。
- ブランドイメージの構築: 塾の内装、ウェブサイト、パンフレットなど、視覚的な要素も重要です。一貫性のあるデザインで、塾の教育理念を表現し、洗練されたブランドイメージを構築します。
- SNSを活用した情報発信: X、Instagram、Facebook、YouTube、LINEなど、多様なSNSを活用して、塾の日常、生徒の活躍、教育メソッド、イベント情報などを積極的に発信していくのもとても有効だと思います。ただし、アレもコレも!とただ珍しいからと全部飛びついてしまうのは、かえって時間ロスにつながります。自分がもっとも合っている方法を見出していき、それを継続することのほうが重要です。保護者や生徒とのインタラクティブなコミュニケーションを通じて、信頼関係を築いていきましょう。
- 卒業生とのネットワーク構築: 卒業生が塾の「生きた広告塔」となるように、卒業後も定期的な交流の場を設けたり、彼らの活躍を積極的に発信したりすることで、塾の価値を向上させます。
CROSS M&Aが描く、学習塾版「モデルルーム」という未来
私たちCROSS M&Aは、少子化という逆境を乗り越え、未来を担う人財を育成する学習塾経営を目指す皆様を全力でサポートいたします。
塾経営を考えている個人の方、法人として塾業界に参入を検討されている方、フランチャイズ選びで迷われている脱サラ希望の皆様へ、私たちはこれまでのM&A仲介で培ってきたノウハウと、業界への深い理解に基づいた独自のサポートを提供します。
とは言え、イメージがわかないという方もいらっしゃいます。
最近はじめたサービスですが・・・
学習塾と習いごと専門のM&Aでサービスを提供している会社だからできる!学習塾版「モデルルーム」です。
これは、机上の空論ではなく、実際に運営している塾の姿を「モデルルーム」として皆様にご覧いただくことで、具体的なイメージを持っていただくための試みです。
例えば、
- 最新のICT教育機器を導入した教室のレイアウト
- 個別最適化された学習を支えるAIシステムの活用事例
- 生徒の主体性を引き出すためのファシリテーションスペース
- 保護者とのコミュニケーションを円滑にするための相談スペース
など、多岐にわたる要素を実際に体験していただくことで、「こんな塾を経営したい」という具体的なビジョンを明確にしていただけるはずです。
そして、この「モデルルーム」は単なる空間展示に留まりません。そこには、実際にそこで学び、成長している生徒たちの声、そして塾を運営する経営者の生の声をお届けすることで、皆様の不安を解消し、確信を持って一歩を踏み出せるような情報を提供してまいります。
徹底したアフターサポートで、安心して学習塾業界へ
塾経営は、一度開業すれば終わりではありません。日々変化する教育ニーズに対応し、生徒や保護者の期待に応え続けるためには、継続的な努力と改善が必要です。
CROSS M&Aは、皆様が安心して学習塾業界で足を踏み入れていただけるよう、徹底したアフターサポートを提供いたします。
- 経営戦略の策定支援: 開業後も、市場の変化や競合の動向を踏まえ、最適な経営戦略を共に考え、実行をサポートします。
- 人材育成・採用支援: 優秀な講師陣の確保は、塾経営の生命線です。採用戦略の立案から、効果的な運営指針や労務管理の進め方など重要な人的な部分でもぜひ頼ってください。
- 最新の教育トレンド情報提供: 教育業界の最新トレンドや、成功事例などを定期的に提供し、常に進化し続ける塾経営を支援します。
- マーケティング・広報戦略支援: 生徒募集のための効果的なマーケティング戦略や広報活動について、具体的なアドバイスと実行をサポートします。
- 法的・財務アドバイス: 経営に不可欠な法務や財務に関する専門的なアドバイスを提供し、安心して事業に専念できるようサポートします。
- トラブル発生時の相談対応: 予期せぬトラブルが発生した場合にも、迅速かつ的確なアドバイスを提供し、問題解決を支援します。
私たちは、皆様が学習塾業界で成功し、未来を担う子供たちの成長に貢献できる喜びを分かち合いたいと願っています。
勇気ある一歩を踏み出そう
少子化という言葉に、塾経営の未来を悲観する必要はありません。むしろ、この変化の波をチャンスと捉え、これまでの「非常識」を「常識」に変えるような大胆な発想と行動力こそが、成功への鍵となります。
「学びの場はもっと拡大していく!」この確信を持って、私たちCROSS M&Aと共に、未来の教育を創造していく仲間になってみませんか?
私たちは、皆様の勇気ある一歩を、力強くサポートすることをお約束します。未来を担う子供たちのために、そして、塾経営という新たな挑戦に情熱を燃やす皆様のために、私たちは常に最善を尽くします。
今こそ、あなたの「非常識」なアイデアを、未来の「常識」に変える時です。私たちと共に、学習塾業界の新たな歴史を刻みましょう。