M&A買収後、最重要!顧客・従業員(講師)への最初の行動とは?

2025年06月07日

買収

正式稼働前、買収後一番最初にやるべきことは!?

まずは「人」に対しての行動を第一に考えていきましょう。

「人」とは「顧客(保護者と生徒)」と「従業員」です。
具体的にどのような行動が必要なのか、見ていきましょう!

顧客や講師への連絡・通達

顧客への対応

譲渡側と譲り受けた側、つまり売り手と買い手双方連名での挨拶文を作成します。タイミング的には、オーナーがチェンジする一週間前ぐらいから配布またはメール等でのご連絡で詳細を伝えていくようにします。

告知があまりに早すぎると、教室内が浮足立ってしまって講師も落ち着いて勤務出来ませんし、生徒たちからの遠慮のない物言いに相当神経を使うことになります。告知なしで、いきなりオーナーがチェンジ(教室長がチェンジ)するのは、顧客に対しての礼を失することになりますので、これは言語道断です。

オーソドックスに「教室長交替のご挨拶」などのタイトルで譲渡する側と譲り受ける側が同一の文書内で伝達文を載せるようにするといいでしょう。

※文章を書くのが苦手な方は、CROSS M&Aが全面的にバックアップいたします!

教室や習いごと教室の譲渡では、それぞれの背景が異なります。また、前オーナーの思い、新オーナー(教室長)が今後しっかりとお子さんたちの面倒を見ていくという温かくて強いメッセージ性を伝えていくようにします。

↑こちらは画像で途中が隠されています。文面の長さはこの3倍程度ですからまだ下に続きます。そこには、読めばきっと感動してくれる内容が書かれているのです。

事務的ではない、熱度のある挨拶文を作りましょう!

手紙や挨拶文が保護者の手元に回ると、惜しむ声・心配の声も頂くこともあるでしょう。

また買い手としては、「もしかしたらチェンジすることで生徒が辞めてしまうのでは?」という懸念を抱くかもしれません。

しかしながら、この挨拶文がしっかりしていれば、ほとんどその心配はありません。逆に挨拶もないまま、いきなりのチェンジは、不信感が募り早晩生徒が辞めてしまう事態になるかもしれません。

出来れば早めにお電話や実際の面談で意思疎通を

挨拶文を文書送達したりメールで送ったりするのですが、それだけでは足りません。これは特に新オーナー、新教室長となられた方が意識すべきことですが、早めに電話や面談で意思疎通を図るようにしましょう。

引継ぎの場合は、データとして旧オーナーから新オーナーへ顧客情報や講師情報を得ます。文面だけからの想像はイメージが掴みにくいですし、話をしてみないとその人が本音で思っていることが見えません。

教室に授業を受けに来る生徒さんは、最初は顔と名前が一致しないものです。その場合も一週間で一致するように自分なりのメモをしながら(生徒の特長を捉えたメモ)早急に覚えていくようにしましょう。
そのうえで、極力「名前」を呼んであげることです。

例えば、同じ時間帯に同じ学年の生徒が数名来たとします。そのとき「誰が誰だかわからない」ですよね。
そういう場合も「花子さん!」と名前を呼べば、花子さんは必ず反応してくれて「はい!」と返事をしてくれます。

このように一人ずつ丁寧に把握に努めていきましょう。


具体的な会話例

「こんにちは!花子さん、はじめまして!〇〇といいます。これから先生たちと一緒にこの教室を盛り上げていくから、よろしくね!たしかバスケットボール部だったよね、毎日練習はけっこうハードでしょう?」

こんなさりげない、あまり長くない会話でいいのです。
ポイントは必ず名前で呼んであげることです。ちょっとした話題提供で興味を示してあげたり、共有してあげることが大切です。

どの生徒さんにも同様に実施していくと、2週間もすれば生徒さんたちとの距離感が縮まってくることでしょう。

そして、重要な講師対応!

企業は「人、モノ、金、情報」と言われます。

いつの時代でも「人」が一番に語られるのです。それぐらい人は重要です。

どんなにモノやお金があっても「人」がいなければ商売は出来ません。人がいなければ、自分の動きも限定的になってしまいます。

その観点で、譲渡後残ってくれた講師には、まずは感謝の意を表明することが大切です。新しく皆と一緒に勤務することになった〇〇です!というような「仲間」的な意識で伝えていくといいかもしれません。
今の世代の人たちは精神注入棒でビシビシやっていたあの頃とは全く違いますので。

講師に対して必要なのは「感謝の気持ち」「感謝の言葉」です。

譲渡後の最初に顔合わせをしたときには、例えばこのように伝えていきます。

「クロス先生ですね、はじめまして。〇〇教室長の後任で〇〇と申します。先生のことはよく伺っています。私もまだ不慣れな点もありますが、クロス先生、色々と補助お願いします!」

講師への声掛けは、感謝の言葉メインで

実際の業務がスタートすると、多忙な中で補助を頼めるのは講師たちです。講師への声掛けも日常の中の大切なやり取りだと思って毎日実施していくといいでしょう。

例えばこんな会話です。

「クロス先生!今日もお疲れ様です。暑い中ありがとう。今日最初は太郎君と花子さんの授業だね。特に太郎君の英語のときには、単語の小テストをやってあげてください。
花子さんは中間テストも終わって解き直しも終わっているので、先の単元に進んでしまいましょう」

生徒の状況や進捗、今日の授業でやってほしいことなどを簡潔に伝えていくことが、日々のコミュニケーションに繋がります。
時には、仕事の話以外でも話題を振ってあげてもいいでしょう。

そして、会話の中にちょっとした感謝の言葉を入れてあげると今度は信頼関係が成り立っていきます。これはとても大切なことです。