私立高校実質無償化と共通テスト情報の難化がもたらす教育格差の変容

学習塾業界の地殻変動:2026年度入試データから読み解く経営出口戦略の最適解

今回は少し生々しい内容です。

学習塾を経営する皆様にとって、現場の肌感覚として「生徒の動きが変わった」と感じる瞬間が増えているのではないでしょうか。

ズバリ、この切り口で問いかけると、まるで傷口を抉られる感覚になりませんか。
オーナーの気持ち、わかります。教室長・塾長の気持ち、わかります。多分10年、15年と運営をされている人であれば、ほぼ全員の方が「あれ、何か変だぞ・・・」という感覚を、2023年ぐらいからお持ちになったのではないでしょうか。

直近3か月の検索クエリおよび入試統計データは、その違和感が一時的なものではなく、構造的な地殻変動であることを明確に示しています。

【下の画像は、検索クエリ(3か月)の上位3つです】

上位のクエリ
2026年度から私立高校の授業料が実質無償化されます。

私立高校の専願者の割合が年々増加し、今年は33.13%に達しました。

専門家によると、2026年度共通テストの情報は難化する可能性があります。

これらの注視すべき3つのファクト

・私立高校の実質無償化の定着
・私立専願率の33.13%への急増
・共通テスト情報の難化

これらは一見、教育熱の高まりに見えますが、塾経営の視点で見れば「LTV(顧客生涯価値)の劇的な短縮」という深刻なリスクを内包しています。

本記事では、これらのデータを踏まえ、学習塾の譲渡・売却を検討されている経営者の皆様が、今なぜ「最高の売り時」を迎えているのかを、冷徹な分析とともに解説します。


私立専願率33.13%が突きつける「塾離れ」の加速

スクリーンショットにある通り、私立高校の専願者の割合は33.13%に達しました。

受験生の3人に1人が、年明けの一般入試を待たずに進路を確定させているという事実です。これは学習塾の収益モデルを根底から揺るがす数字です。

これまで、中学3年生は2月または3月の公立高校入試まで通塾し、冬期講習や直前講習で客単価が最大化するのが通例でした。

しかし、専願率の上昇は以下のサイクルを生み出しています。

  1. 入塾時期の遅延:無償化により「内申点さえ確保できれば合格できる」という安心感が広がり、中3夏以降の駆け込み入塾が減少。
  2. 退塾時期の早期化:1月上旬の私立推薦・専願入試で合格が決まった瞬間、2月・3月の月謝が発生しなくなる。
  3. 季節講習の形骸化:入試直前の追い込みが必要なくなるため、最も利益率の高い冬期講習の受講コマ数が激減

事例(実話)コーナー

【実例(実話)】=上記3項目の答え合わせ

私立専願だと早く受験が終わるから確かに退塾時期が早くなる・・・それはわかる。。。。しかし、どうして専願率上昇が、「入塾時期の遅延」につながるのか!?
この点ですが、


簡単に言えば、「私立専願」「私立単願」(※地域によって、専願というところと単願というところがあります)のほうが公立受験より、それこそ簡単だからです。

よく、私立高校の第一志望入試とか、私立中学の第一志望入試というのがありますが、あれとて、一般受験よりもはるかに合格の確率が高いのです。

よって、入塾の時期そのものを「保護者がコントロールして」遅くなっていることです。

この事実の 本当に深い、深いところまで読んでください。

深いところまで読めば、次の項目の「季節講習の形骸化」という部分も「ああ、なるほど・・・」とすぐにわかると思います。

学習塾業界は、2023年、2024年、そして2025年と、時期は違えどもほとんどが値上げしました。これはドル高円安や部材高騰、人件費高騰、原料費高騰などモノやサービスの価格が上がりやすい時代背景にがっちりとホールドされた結果です。

学習塾の費用というのは、一般的なご家庭の保護者の本音としては、湯水のごとく出せるお金ではないのです。
衣食住に関しての、根幹コストは生活資金として、そうそう削れません。
家計の優先順位で、学習塾や予備校のお金が1番!というご家庭はふつうはありません。

家計を担う保護者は、細かい計算をせずとも、肌感覚で、収入と出費のバランスを感じ取っています。だからこそ、教室長や講師が「講習を受けたほうがいい!」と連呼しても、保護者の都合で受けさせられない・・・という現実もあるのです。

これは、自分に置き換えてみたらよくわかることだと思います。

入塾時期が遅くなり、退塾時期が早くなり、なかなか提案した講習を受講しない・・・そんな3つがあり、その事実を認めて、知っていながらも次のアクションが取れない・・・・ということであれば、

ほぼ間違いなく業績が壊れていきます。
これは注意喚起というレベルではなく、警報級だと思って頂いてほぼ正しいです。

では、ここで、簡易的ですがシミュレーションをしてみます。


塾経営における収益機会の損失シミュレーション(予測値)

以下は、私立専願化が進むことによる、生徒1人あたりの年間LTVの変化をモデル化したものです。

ちなみに、LTVとは?


LTV(Life Time Value)とは「顧客生涯価値」のことで、1人の顧客が取引開始から終了までに自社にもたらす利益(売上)の総額です。
学習塾でしたら、入塾から退塾までの売上総計です。
最近は、このLTVというのをAIが好んで単語利用することになっているため、猫も杓子もLTVです。

項目従来の公立志望モデル現在の私立専願モデル影響度
在籍期間(中3)12か月(4月~3月)9か月(4月~12月)25%減少
冬期講習受講額80,000円20,000円75%減少
正月特訓・直前講座50,000円0円消滅
年間推定LTV約550,000円約380,000円約30%の減収

この表が示す通り、生徒数が同じであっても、入試形態の変化だけで利益が3割削られる構造にあります。

そして、「時短」する受験サイクルは、個別指導塾や小規模塾にとって、固定費を賄うための損益分岐点を大きく押し上げる要因となっているのです。


2026年度「情報」難化がもたらす指導コストの増大



もう一つの懸念材料と言われているのが、共通テストにおける「情報」の難化予想です。

2026年度からは、より高度なプログラミング的思考やデータサイエンスの知識が問われるようになります。

これに対応するためには、塾側に以下のコストが発生します。

  1. 専門講師の採用・育成:従来の5教科指導ができる講師だけでは対応できず、ITスキルの高い人材確保が必要となり、人件費が高騰。
  2. 教材・設備のアップデート:最新の入試傾向に合わせたデジタル教材の導入や、PC環境の整備など、多額の設備投資が必要。
  3. 指導オペレーションの複雑化:5教科に加えて「情報」のカリキュラムを組む必要があり、教室運営の負担が増大。

収益(LTV)が減少している一方で、指導のために必要なコスト(人件費・設備費)は上昇するという、逆鞘(逆ザヤ)の現象が起き始めています。

これは、資本力のある大手塾には対応可能ですが、地域密着型の個人塾や小規模法人にとっては、経営を圧迫する大きな重荷となります。


「私立無償化」という劇薬と、公立王国の崩壊

2026年度から本格化する私立高校の授業料実質無償化は、地方における「公立王国」の看板を次々と下ろさせています。千葉県などの首都圏近郊でも、この傾向は顕著です。

公立高校が第一志望であった時代、塾の役割は「5教科の総合力を上げること」に特化していれば事足りました。

しかし、私立無償化によって、生徒は「特定の私立高校の推薦枠」を狙うようになります。その結果、塾に求められるのは「入試対策」ではなく「学校の通知表対策(内申点対策)」へとシフトしていくことになります。

内申点対策は、定期テスト期間以外の通塾意欲を削ぎやすく、また学校ごとのきめ細やかな対応が求められるため、講師の労働負荷に対して収益が上がりにくいというジレンマを抱えています。


なぜ今、事業譲渡(M&A)を検討すべきなのか

ここまで述べてきたデータは、

学習塾業界が「従来の勝ちパターン」が通用しないフェーズに入ったことを示しています。

しかし、これは決して悲観的な話だけではありません。

大手の学習塾などを中心に、

①時代は総合型選抜だ!推薦だ!
②だから中学から高校への継続を促すのだ!

と・・・躍起になります。


今のうちに当たる予言をしておきますと、この流れが「ウチも!ウチも!」とやるようになって、どうやら、私塾もその流れに移行したその時から、全体が総崩れになるでしょう。

総合型、推薦 これらを「専門に扱っているのです」という形式はもっときつい結果になると思います。

どういうことかというと、このスタイルで全員が勝ち残れることは100%ないからです。
収益が狙えない方向に、パイの取り合いをしていけば、かなり早い時期にクラッシュしてしまうでしょう。

学習の意義とは?
本来の高校学習で何を学ぶべきなのか?
中高接続、高大接続の本来の意味は?

ここを見失って、総合型だ、推薦だというやり方を全面(前面)に出すほどに、自部の手足がタコ状態になってしまうはずです。

これは賢い選択ではないですし、

敢えて言えば、総合型や推薦の小論文だとか、志願理由書の対策で・・・皮肉ですがLTVが高まるはずがありません。

大所高所に立ち、自分のアクティブに動ける時間や世の中の流れ、及びコスト計算をして

身の振り方を考えるのは作戦の一つとしてとらえていきましょう。

むしろ、この変化の波を正確に読み、適切なタイミングで「出口(エグジット)」を見つけることは、経営者としての最大の英断となります。

現在、学習塾の譲渡を考えるべき理由は3つあります。

1. 大手資本による「拠点買い」の需要

大手塾は、自前で教室をゼロから立ち上げるよりも、既に地域に根付いた生徒と講師がいる既存塾を買い取ることで、シェアを拡大しようとしています。特に「情報」科目への対応やデジタル化を進める余力がある大手にとって、中堅・小規模塾の買収は魅力的な投資です。

2. 「私立専願」が定着しきる前の企業価値評価

専願率がさらに上昇し、収益悪化が帳簿上(決算書)に完全に反映されてからでは、譲渡価格(バリュエーション)は下がってしまいます。

現在の「生徒数は維持できているが、将来の収益性に不安がある」という段階こそが、最も高く評価されるタイミングです。

3. 2026年度という「区切り」の重要性

入試制度の大きな変更点である2026年度を、新体制で迎えるのか、それとも今のうちに次世代へバトンを渡すのか。この判断が、経営者自身のセカンドライフの資金計画に直結します。


結論:データが示す「攻めの譲渡」

私立専願率33.13%という数字は、教育の自由度が高まった証であると同時に、学習塾経営における「安定した収益期間」が1年間のうちのわずか数か月に凝縮されてしまったことを意味します。

退塾が早まり、指導コストが上がる未来が、検索クエリという「消費者のリアルな関心事」から透けて見えています。この逆風の中で、一人で戦い続けるのはリスクが大きすぎます。

今、お手元にある学習塾は、これまで積み上げてきた信頼と実績という大きな価値を持っています。

その価値を、最も高く、そして最も良い形で次へつなげるために、M&Aという選択肢を「守り」ではなく「攻め」の戦略として検討してみてはいかがでしょうか。

業界の構造が変わる2026年度を前に、今こそ専門家とともに、自社の本当の価値を再確認する時期に来ています。


次のステップへのご案内

もし、少しでも話だけでも聞いてみようかなと思われたなら、まずは匿名での教室簡易査定から始めてみませんか?

あなたの塾が今、第三者から見てどのような価値があるのか、譲渡できる可能性があるのかを、完全無料で診断いたします。無理な勧誘や、強引な譲渡の推奨は一切いたしません。

今、抱えている不安を誰かに話す。それだけで、経営者としての視界は驚くほどクリアになります。

お問い合わせをお待ちしております。あなたの勇気ある一歩が、生徒たちの未来と、あなた自身の再スタートを支える力になります。


学習塾・習いごと教室のM&A成功の鍵はPMIにあり!クロスM&Aが提供する「安心の譲渡」とは?

閉校・廃業を考える前に「譲渡」を
①仲介不動産会社への連絡
自分が望む金額でスピーディーに
習いごと教室の事業承継
②FC加盟の学習塾・習いごと教室
③スムーズ引継ぎ シート管理
買い手の心を掴む概要説明の極意
中学受験対応で価値は大幅増加
BATONZの学習塾・習いごと専門家
学習塾の譲渡ベストな時期はいつ? 
学習塾譲渡:電話番号の引き継ぎ
売りっぱなしの時代は終わっている
後継者がいない学習塾オーナー様へ
習いごと教室の事業承継
個人塾の閉鎖、費用はいくら?
英会話教室売却完全ガイド
学習塾の事業譲渡契約書

夏期講習の売上ダウンは

【学習塾譲渡】仲介ガイド
プログラミング教室のM&Aを
塾の譲渡、気になる「相場」は?
生徒数減少に直面した塾オーナー様へ
急募 不動産・FC契約更新間近
塾の譲渡は「面倒」じゃない!
塾の譲渡:理想の買い手を見つける
NN情報(ノンネーム情報)の重要性
売り手市場から買い手市場へ!
売却する際に準備すべき資料
企業概要書(IM)の作り方
売却、今こそ決断の夏!生徒数で
「譲渡」が「買収」の5倍検索される
【初心者向け】M&A簡易概要書
同族承継が第三者承継になる実情
「教育モデル改革」が譲渡価値UP
事業譲渡と株式譲渡の基本
株式譲渡と事業譲渡の税務
M&Aの税務基礎知識
「塾を売却する」のは、負けじゃない
成功させる鍵は「画像」にあり
塾経営は本当に「儲からない」のか?
28日間の検索クエリが映し出す
閉鎖じゃなくて譲渡を最初に考えて
生徒数20名ぐらいが売れやすい!
事業譲渡の価値を上げる方法
フランチャイズ学習塾譲渡手順と成功の鍵
「撤退または譲渡」のタイミング
売り手手数料ゼロの仲介
塾業界内部の激震と静かなる世代交代
事業継続を左右するチェックポイント
公立高校受験の「競争率低下」が示す
学習塾の「閉鎖」を考える前に
緊急速報!:「コアな顧客」中3生の激減
取引「後」の統合プロセス(PMI)の重要性
学習塾の閉校と譲渡のイメージ
決断をためらう経営者へのメッセージ
成約までの期間、PV数、商談数
フランチャイズ学習塾の譲渡
学習塾の事業譲渡と不動産賃貸借契約の扱いについて
学習塾の譲渡金額の決め方と買い手候補アピール
学習塾のM&Aにおける売却経験者の不満点と後悔の構造
今までの文化を承継しつつも、自分色を出していきたい
『この要素』があれば早く売れる!高めで売れる!
M&Aの全体成約率と成功率及び、「学習塾」
塾の赤字・売上減に悩むオーナーへ。
学習塾譲渡のお手伝いは完全無料です。
10年、20年続けた塾を「廃業」で終わらせない
学習塾の譲渡決断から、実際の準備そして、成約
民間教育業界の地殻変動と旧態依然とした学習塾

【CROSS M&A(クロスマ)からのお知らせ】

当記事をお読みの皆様で、当社の仲介をご利用いただいた学習塾・習いごとの経営者様には、ご希望に応じて無料でメール送信システムの作成をお手伝いいたします。システム作成費も使用料も一切かかりません。

安全かつ効率的な報告体制を構築し、保護者との信頼関係を強化するお手伝いをさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

BATONZ×CROSS M&A
CROSS M&A(クロスマ)は、BATONZ(バトンズ)認定パートナーとして皆様の事業承継をサポートいたします。

学習塾・習いごと専門M&AサービスCROSS M&A(通称:クロスマ)は、業界ナンバー1の成約数を誇るBATONZの専門アドバイザーです。BATONZの私の詳細プロフィールはこちらからご確認ください。
また、弊社は、中小企業庁のM&A支援機関です。

学習塾・習いごとのM&Aについて、さらに詳しい情報や具体的な案件にご興味はありますか?どのような点でお力になれるか、お気軽にご相談ください。

M&Aの会社なのに学習塾もデールルーム
(学習塾への新規参入をご検討中の皆様が内部をよりイメージしやすいように、リアル学習塾モデルルームのサービスを開始しました)

 ↑ 中小企業庁ウェブサイト」へのリンク

学習塾・習いごと教室の譲渡・買収をご検討の方、
または教室運営に迷いを感じている方はこちら!