初めての経営、初めての教室運営で注意すべき点(日々のtodoリスト管理編)

はじめに:教室長の仕事は「作業」ではなく「管理」である
学習塾の教室長という役職に初めて就いたとき、希望に満ちたスタートですが、当然ながら責任も増します。
同時に、まじめすぎる教室長が陥ってしまうのが、全部をこなそうとすることです。
それは、目の前の細かな事務作業をすべて自分で完結させようとしてしまうことです。
決して悪いことではないのですが、新規開校してだんだんと生徒さんの数が増えてくれば、やらなくてはならない業務が自然に増えます。
一人の人間が対応できる内容には限度がありますので、全部を自分で・・・という感覚はあまり持ちすぎないようにしましょう。
講師への連絡、書類の整理、振替授業の管理、保護者対応。これらを一人で抱え込むと、本来最も注力すべき「生徒の成績向上」や「教室の生徒数拡大」という戦略的な仕事に手が回らなくなります。
初めての経営・運営において、日々のToDoリスト管理で最も重要なマインドセットは、自分一人で完結させるのではなく、講師を巻き込んだ仕組みを構築することです。
本記事では、業務漏れを防ぎつつ、教室長が本来の役割に集中するための具体的な管理手法について解説します。
1.講師への授業スケジュール送信:自動化と確認の徹底
日々の業務の中で、講師に「今日の授業は何時から、どの生徒を教えるか」を伝える作業は基本中の基本です。しかし、これを毎日手動で行うのは時間の無駄であるだけでなく、転記ミスのリスクを伴います。
自動送信システムの活用
現代の塾運営において、スケジュール管理システムの導入は必須です。多くの管理ツールでは、前日や当日の朝に講師のスマートフォンへスケジュールが自動送信される機能が備わっています。
クリック、またはタップ一回動作で済むようにシステム設定していくべきです。
教室長がやるべきこと
自動送信を設定して安心するのではなく、教室長は以下の点に注力すべきです。
- 講師がスケジュールを確認したかどうかの既読確認。
- 急な欠勤や遅刻が発生した際のバックアップ体制の構築。
- 新任講師に対して、システムの見方を正しくレクチャーすること。
「送ったはず」という思い込みを排除し、講師が正しく情報をキャッチできる環境を整えることが、教室長の最初の仕事です。
そして、2番目の「急な欠勤」の箇所は赤文字にしましたが、これは日頃のチェックでとても重要なことです。
講師マネジメントの一環として、日々のtodoの中で、
今日授業が入っている講師が、授業に遅れることなく来るお膳立ては絶対に必要ですし、万が一の対処の重要課題は、当日 講師が急に休みになってしまった場合です。
ではここで事例を紹介します。
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【実例(実話)】
講師の当日の急な欠勤は、教室長として困ることです。
しかし、この現象、数多くある教室で、同じように発生するでしょうか?
答えは否です。
A教室では、何故か欠勤が多い
B教室は、欠勤が少ない
これはこの業界あるあるの現象です。
実は「教室の締り」というのは、教室長がつくりあげるものです。そして、講師面接の初日から、講師たちは教室長の様子を嗅覚鋭く感じ取っています。
「この人は、こういう面ではとても厳しい人だな」
「この人は、ここまでのことでも許してくれる人だな」
皆さんもそうではありませんか。
目の前にリーダーだと名乗る人がいたとします。言葉悪く言えば、そのリーダーの品定めを自然にやるのではないでしょうか。
人間社会ではこれは日常茶飯事的に行われるのです。
つまり、当日休んでしまう講師が多い教室は、インフルのせい、コロナのせい・・・ではありません。
教室長の管理によるところがかなり大きいです。
もっともっと強烈に言えば、
当日休みがぽろぽろ出てくる教室は、はっきり申し上げて、教室長がなめられている!ということになります。
◆欠勤連絡は、メールでは受け付けない
ぐらいの強い姿勢で臨むといいかもしれません。
とは言え、やむを得ない事情もありますので、その際はどうしたらいいのか。
①いろいろ考えても仕方ないですから、まずは休みの講師以外の講師へ、対応可能かどうかを一斉送信します。
②リミットを決めて、何時までに連絡がなければ、振替をするという自分なりのルールを決めておきましょう。
③代講できる講師がいないと判断したらすぐに、該当生徒の保護者へお詫びとともに連絡をいれて、振替をします。
オーソドックスですが、この流れになります。
ですが、上記しましたように、ちょくちょく講師の休みがある教室は、一度見つめ直してみましょう。
2.講師への指示・書類管理:タスクの棚卸し
授業開始前の数十分間、講師に対してどのような指示を出し、どのような書類をやり取りするか。ここが教室運営の質を左右します。
さて、下記を読んでいただく前に、
「講師にあまりに多くの業務をお願いしたら講師は大変じゃないだろうか」
「講師へ依存しすぎるのは、よくないのでは」
もし、そう思われた方がいらっしゃいましたら、全く逆ですので、安心して以下お読みください。
指示すべき内容の定型化
その場しのぎの口頭指示は、必ず言った言わないのトラブルに発展します。
- 授業の重点目標(例:今日は二次関数の導入を徹底する)
- 宿題の達成状況の確認依頼
- 前回の授業アンケートに基づく注意点
これらは、講師ごとに用意された「指導指示書」や「講師用連絡ボード」に集約させます。
教室長が一人ひとりに口頭で説明するのではなく、講師が教室に来たらまずそのボードを確認し、自ら準備を始める流れを作ります。
これは、何も大仰な仕掛けでなくても大丈夫です。
連絡用ノートであったり、講師控室にタスクボードを壁掛けしてもいいでしょう。
渡すべき書類・もらうべき書類のチェック
- 渡す書類: 授業プリント、テスト対策問題集、保護者への配布物。
- もらうべき書類: 指導報告書、出席簿、生徒からの提出物。
これらを管理するために、講師ごとに「インボックス」と「アウトボックス」を設置しましょう。
教室長は、授業開始前にアウトボックスに書類を入れ、授業終了後にインボックスから回収するだけという状態にします。
不備があればその場で講師に指摘し、後回しにしないことが鉄則です。
3.生徒への配布物・回収物管理:家庭との信頼関係を守る
生徒に渡すべき書類が渡っていない、あるいは預かった月謝袋や申込書が紛失した。こうしたミスは、一瞬で保護者からの信頼を失墜させます。
生徒単位のチェックリスト作成
「誰に何を渡したか」を頭の中で管理するのは不可能です。特に、学年ごとに異なる案内(夏期講習の案内や検定の申込書など)を配布する場合、クラス名簿と連動したチェックリストを作成してください。
講師に役割を分散する
この確認作業も、教室長が一人で行う必要はありません。
- 授業の冒頭5分で、講師に「この書類を配布し、カバンにしまったか確認してください」と指示を出します。
- 回収物に関しても、講師が授業中に回収し、指導報告書と一緒に提出させるフローを確立します。
教室長は、最後にそのリストにチェックが入っているかを確認する「検収」の立場に徹してください。
4.振替連絡の対応:スピードとルールの厳格化
学習塾運営で最も手間がかかり、かつトラブルになりやすいのが「授業の振替」です。
振替ルールの明文化
まず、振替ができる条件(例:前日の20時までに連絡があった場合のみ)を明確にし、保護者に徹底させることが前提です。ルールが曖昧だと、当日の急なキャンセル対応に追われ、講師のシフト調整に翻弄されることになります。
振替対応のステップ
- 受付:電話または専用フォームでの受付内容を記録。
- 講師調整:担当講師へ確認、または代講講師の選定。
- 確定連絡:保護者への日時確定連絡。
- 反映:スケジュール管理表への記入。
このプロセスにおいて、教室長がすべきは「判断」と「最終確認」です。受付自体は事務スタッフや、あらかじめ用意したオンラインフォームで行い、教室長は「この日時に講師が確保できるか」を判断する役割に回ります。
5.教室長が「やってはいけない」こと
初めての経営で、熱意がある人ほど陥りやすい「やってはいけない行動」を整理します。
全ての電話に自分が出る
電話応対は重要ですが、全ての電話を教室長が受けていると、重要な面談や生徒指導が中断されます。定型的な問い合わせや振替連絡は、マニュアル化して講師や事務スタッフでも対応できるように教育する必要があります。
指導報告書を自分で代筆する
講師が書き忘れた報告書を、教室長が察して代わりに書く。これは最悪の対応です。講師の責任感を削ぎ、仕組みを崩壊させます。書かない講師がいれば、なぜ書けないのかを問い、書けるまで指導するのが教室長の仕事です。
掃除や備品補充を一人で抱える
教室の美化は重要ですが、これも役割分担です。講師の出勤時、退勤時のルーチンワークとして掃除を組み込みましょう。教室長は、掃除ができているかをチェックする立場に立ってください。
6.効率的な1日のタイムスケジュール例
業務漏れを防ぐための、理想的な教室長のルーチンを提示します。
午後2時:開校準備と事務作業
- メール、問い合わせの確認。
- 前日の指導報告書の最終チェック。
- 本日の配布物のセット(講師ごとのボックスへ)。
午後4時:講師出勤・ブリーフィング
- 講師が各ボックスを確認。
- 教室長は、重要事項(新入生の初回授業など)のみを各講師に口頭で伝える。
午後5時〜午後9時:授業時間帯(ここが勝負)
- 教室長は授業に入りすぎず、教室内を巡回。
- 講師の教え方、生徒の集中度を観察。
- 飛び込みの電話や面談に対応できるよう、常に余裕を持っておく。
午後9時:授業終了・回収物チェック
- 講師からの報告書、回収書類をすべて受け取る。
- その場で不備がないか確認し、あれば即座に修正させる。
午後10時:翌日の準備と退勤
- 明日の振替授業の有無、講師の出勤確認。
- TODOリストの更新。
7.仕組み化の秘訣:マニュアルではなく「流れ」を作る
マニュアルを分厚く作っても、誰も読みません。大切なのは、自然とその業務が行われる「流れ」を物理的に作ることです。
- 書類を置く場所を固定する。
- チェックが入っていないと次の作業に進めない仕組みにする。
- 報告は口頭ではなく、必ず指定の書面に残させる。
これらの物理的な環境設定が、あなたの負担を劇的に減らします。
まとめ:あなたの価値は「決断」にある
学習塾の経営・運営において、教室長の真の価値は、事務作業の正確さではなく、教室全体の状況を把握し、的確な「決断」を下すことにあります。
生徒の成績を上げるために、どの講師をどの生徒に当てるべきか。 保護者の不安を取り除くために、どのような言葉をかけるべきか。 教室を成長させるために、次はどのような広告を打つべきか。
こうしたクリエイティブな仕事に時間を割くために、日々のルーチンワークは徹底的に仕組み化し、講師を信頼して任せてください。最初は不安かもしれません。自分でやったほうが早いと思うこともあるでしょう。しかし、そこで踏みとどまり、組織として動く練習をすることが、長期的な経営の成功への唯一の道です。
本記事で紹介した内容を参考に、まずは「自分がやらなくても回る仕組み」を一つずつ構築してみてください。

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