SNS時代の塾ナビ活用術|即電をやめて「選ばれる塾」になるためのデータ管理と追客の極意
塾ナビからの問い合わせ。それは学習塾経営者にとって、期待と同時に、ある種の「不条理」を感じる瞬間でもあります。
即座に電話をかけても繋がらない。折り返しを待っても連絡はない。
一方で塾ナビ側からは、資料請求が発生したという通知と共に着実に手数料が発生していく。
今や集客の主流は、塾独自のプロモーションやオーナー自身のSNS発信に移り変わっており、塾ナビのようなポータルサイトは、かつてのような「絶対的な集客源」ではなくなりました。
しかし、それでもなお、塾ナビからの貴重な一票を確実にモノにしたい。そう願う真面目な経営者のために、現代の学習塾経営における「塾ナビ対応の最適解」を深掘りしていきます。
塾ナビ特有の呪縛から脱却する
塾ナビのシステムは、構造上「複数同時資料請求」を推奨しています。
保護者が一つの塾を調べていると、画面の下には「こちらもおすすめ」と近隣の塾が並び、チェックボックス一つでまとめて問い合わせができてしまいます。
このシステムが生み出したのが「一番乗り競争」という呪縛です。他塾よりも1秒でも早く電話をし、他塾よりも先にアポを取り付ける。かつてはこれが正義とされてきました。しかし、このスピード競争には大きな落とし穴があります。
それは、保護者側の心の準備ができていないことです。家事や仕事の合間に、ボタン一つで資料請求をした直後。まだ詳細も見ていない段階で、見知らぬ番号から電話がかかってくる。これは多くの保護者にとって「驚き」であり、時には「負担」になります。電話に出ない、あるいは出ても「とりあえず資料を見てからにします」と断られるのは、この心理的摩擦が原因です。
私たちが目指すべきは、スピードで圧倒することではなく、自塾の価値を正しく伝え、信頼される関係を築くことです。
自動化ツールによる「誠実な初動」の構築
電話が繋がらない不条理を解消するために、私が導入しているのがGoogle Apps Script(GAS)を活用した自動返信システムです。

画像だとわかりにくいですが、
塾ナビからの問い合わせメールをシステムが自動で検知し、即座にスプレッドシートへ顧客データを蓄積します。
そして、それと同時に「初回送信」を自動で行います。この「初回送信」の目的は、電話で無理やりアポを取ることではありません。
まずは、問い合わせをいただいたことへの感謝を伝えること。そして、私たちの塾がどのような教育理念を持ち、どのような環境で生徒を預かっているのかを、保護者が落ち着いた時に読める形で届けることです。

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こちらの画像は、SpreadSheetに組み込むGASコードの一部披露です。
GASが最大の肝ですが、精度を上げてエラーがないようにして、非常に便利に、そしてストレスなくです。
この自動化には二つの大きなメリットがあります。
一つ目は、経営者の精神的負荷の軽減です。授業中や面談中、あるいは深夜に問い合わせが来た際、「早く対応しなければ」という焦りから解放されます。システムが24時間、一次対応を完璧にこなしてくれるからです。
二つ目は、データの可視化です。
スプレッドシートには、必要な情報がDB化されます。
「問い合わせ番号」「生徒名」「学年」「初回送信日」「追客の進捗」が自動で記録されることで、誰にいつ、どのような連絡をしたかが一目でわかります。画像にある管理DBのように、追客1回目、2回目とステップを管理することで、漏れのないフォローが可能になります。
ちなみに追客は「ついきゃく」と読みます。
営業の世界における用語でもありますが、要は見込み客を追いかけるときの用語です。
なぜ、この追客が重要なのかというと
多くの教室長は、多分経験があると思いますが、業務を進行させる中で塾ナビやその他の問い合わせに対してのフォローが中途半端に終わってしまって、気づいたら一か月経っていた・・・なんていうことがあります。
問合せ一件はとても大切!というのは、何も塾業界に限ったことではありません。
全業界において、見込み客というのは重要なのですね。
「一番乗り」よりも「一番の理解者」になる
スピード競争の呪縛から解き放たれたら、次に行うべきは「メッセージの質」の向上です。
塾ナビから来る問い合わせの多くは、内容が定型的です。しかし、そこに記載されたわずかな情報から、保護者の不安や期待を読み取る努力が必要です。
自動送信するメールには、単なる資料の添付だけでなく、実際の教室の様子がわかる写真や、通塾している生徒たちの変化、そしてオーナーであるあなたの「想い」を綴ったページへのリンクを盛り込みます。
保護者が求めているのは、安い月謝や家からの距離だけではありません。「この塾なら、うちの子を安心して任せられる」という確信です。他塾が電話攻撃を繰り返している間に、あなたはメールやLINEを通じて、役立つ教育情報や、地域の中学校のテスト対策情報などを提供し続けます。
これこそが、画像にある管理DBの「追客」の項目が意味するところです。1回目の連絡で決まらなくても、2回、3回と、相手の負担にならない程度に「価値ある情報」を届け続ける。すると、保護者の心の中で、あなたの塾は「数ある資料請求先の一つ」から「信頼できる教育相談先」へと昇華していきます。
SNS発信と塾ナビの相乗効果
今や塾独自のプロモーションやSNS発信が主流であることは間違いありません。しかし、塾ナビを完全に切り捨てる必要もありません。
理想的な流れは、塾ナビであなたの塾を知った保護者が、気になってあなたのSNSやブログを見に行き、そこで発信されている内容に共感して入塾を決めるという導線です。
塾ナビはあくまで「出会いのきっかけ」に過ぎません。その後の関係性を構築するのは、あなた自身の言葉であり、日々の教室運営の姿勢です。
もし塾ナビからの電話が繋がらなくても、嘆く必要はありません。それは「今は電話で話すタイミングではない」という保護者からのサインだと受け止めましょう。その代わりに、丁寧なメールを送り、管理DBに記録し、あなたの発信を磨き続ける。このことが重要だと思いませんか。
顧客との関係性を維持する「受け皿」を持つ
私たちが提供している「学習塾モデルルーム」のようなサービスも、まさにこの「受け止める力」を強化するためのものです。
実際に運営されている教室を、候補者や保護者が自分の目で見て、空気感を感じる。デジタルな情報のやり取りだけでは伝わらない「現場の熱量」が、最終的な決定打になります。
塾ナビというシステムに振り回されるのではなく、それを「見込み客リストを自動で作成してくれるツール」として割り切って活用する。そして、溜まったリストに対して、GASなどのテクノロジーを駆使して効率的に、かつ人間味のあるフォローアップを行っていく。
この「仕組み」と「想い」のハイブリッドこそが、現代の塾経営において、不条理を勝ち筋に変える唯一の方法です。
まとめ:選ばれる塾であるために
塾ナビからの問い合わせに対して、必死に一番乗りを目指すのはもうやめましょう。それは、あなたの大切な時間と精神をすり減らすだけの消耗戦です。
- システムで初動を自動化し、データの漏れをなくす。
- 焦らず、保護者のタイミングに合わせた情報提供を行う。
- SNSやブログで自身の考えを可視化し、信頼の貯金を作る。
- 実際に足を運びたくなるような、魅力的な教室現場を維持する。
このステップを積み重ねることで、塾ナビ経由の問い合わせは「繋がらない不条理な通知」から「良質な縁の始まり」へと変わります。
自分の教室の価値を信じ、それを求めている顧客と、適切な距離感で、誠実に向き合っていく。その姿勢こそが、最終的に「選ばれる塾」を作る最短ルートなのです。
画像にあるような管理体制を整え、一つ一つの縁を大切に育んでいきましょう。その先に、あなたの塾にとって本当に理想的な生徒・保護者との出会いが待っています。

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