運営で注意すべき点(雰囲気・ムード編)

「活気がある」と「騒々しい」は大違い
放置したら確実にエスカレートしていく

学習塾の新規開校、おめでとうございます。校舎の設備やカリキュラムの準備に追われる中で、意外と見落としがちでありながら、塾の成否を決定づける最大の要因があります。それが校舎の雰囲気、すなわちムードの構築です。

新規開校の塾において、生徒や保護者が最初に受け取る印象は、その後の継続率や口コミに直結します。

本稿では、特に「明るさ・活気」と「騒々しさ」の決定的な違いに焦点を当て、理想的な学習空間を作るための運営上の注意点を詳述します。


1. 明るさ・活気と騒々しさの境界線

学習塾の運営において、活気があることは非常にポジティブな要素です。

しかし、一歩間違えるとそれは単なる騒音となり、学習環境を破壊します。この二つの違いを明確に定義し、スタッフ間で共有することが第一歩です。

以前、私は非常に不思議なことを聞いたことがあります。

それは「とある大手塾の担当者から」でした。

「うちの教室見ていただくとわかるのですが、殺風景です。学習に関してのこととかほとんど貼ってません。ポスターなども貼らないです。
そして、休み時間は何やってもいいという方針でやっています。それこそ、プロレスをやってもいいんです!」

これは作り話ではありません。
本当に 、とある大手塾の責任ある立場の方が言っていた言葉です。細かな部分は忘れてしまいましたが、あまりにもインパクトがありすぎて、衝撃的でした。
それから数年、ずっとそのときに言われたことが、心に残っています。

今私が運営している教室とは正反対、まったくもって真反対です。

ですが今、私は「プロレスをやってもいい塾にしなくてよかった」と本気で思っています。聞いた瞬間から違和感を感じていましたが、

学習塾で、たとえ休み時間でもプロレスをやっていいものかどうか、常識で考えたら答えはNOです。でも当時、私はとてもまじめに、「もしかしたらそのほうがストレス発散につながってよいのか・・・」と頭をよぎってしまったのです。これは事実です。

何故、そう思ってしまったのか・・・

それは、私の運営する教室よりも生徒数が多かったから「だけ」なのだということを悟ったとき、

一切、プロレスをやってもいい塾など眼中に入らなくなりました。聞いた瞬間笑い飛ばせればいいものをまじめに、うーんそうなのか、と考えてしまった自分が恥ずかしいです。

そんな活気は活気でもなんでもない。


それは規律がないから起こる末期症状ではないか!と考えたら、その時点での生徒数の多寡よりも理念とか、ポリシーとか、生徒の安全第一としていることとか、そのほうが大事だということに遅ればせながら気づきました。
(遅すぎですが)

活気とは、目的を持ったエネルギーである

活気がある状態とは、生徒が前向きに課題に取り組み、講師が情熱を持って指導にあたっている状態を指します。

そこには、質問に対する受け答え、解けた時の喜びの表情、目標に向かう緊張感などが混ざり合っています。

重要なのは、すべての音が学習という目的に集約されている点です。

騒々しさとは、統制を失ったノイズである

一方で、騒々しい状態とは、学習とは無関係な私語が飛び交い、講師の声がそれを制止するために大きくなり、全体の規律が崩れている状態です。

生徒がリラックスしすぎるあまり、自宅の居間のような振る舞いを始めたとき、塾としての品格は失われます。

これは、新規開校時に「生徒と仲良くなろう」と焦る講師が最も陥りやすい罠です。


2. 入室の瞬間に決まる校舎のトーン

校舎のムードは、生徒がドアを開けた瞬間の数秒で決まります。この「入り口の空気感」をコントロールすることが運営の肝です。

挨拶のトーンが基準を作る

講師の挨拶が暗ければ、生徒も暗くなります。逆に、講師が絶叫するような過剰な挨拶をすれば、生徒は萎縮するか、あるいは塾を騒いで良い場所だと誤認します。 理想的なのは、背筋が伸びるような爽やかさと、迎え入れられている安心感が同居した挨拶です。

視覚情報の整理

雰囲気は聴覚だけでなく、視覚からも作られます。掲示物が乱雑であったり、受付に書類が山積みになっていたりすると、それは「だらしなくても良い場所だ」という無言のメッセージを生徒に送ることになります。

清潔感のある整理整頓された空間は、自然と生徒の背筋を伸ばし、静謐な活気を生み出します。


3. 講師の立ち居振る舞いが伝染する

生徒は驚くほど講師の挙動を観察し、それを真似ます。校舎のムードを作っている主役は、システムではなく講師一人一人の一挙手一投足です。

講師同士の会話に注意する

最も避けるべきは、受付や講師室で講師同士が学習に関係のない世間話で盛り上がっている光景です。これを見た生徒は、「先生たちも遊んでいるのだから、自分たちも話して良い」と判断します。 講師間のコミュニケーションは、常にプロフェッショナルであるべきです。たとえ休憩中であっても、生徒の目に触れる場所では、教育者としての緊張感を保つ必要があります。

指導時の声のトーン

個別指導であれ集団授業であれ、講師の声の大きさは適切に管理されなければなりません。 熱意を伝えようとするあまり声が大きくなりすぎると、隣の席で自習している生徒の集中を削ぎます。一方で、声が小さすぎると教室に活気が生まれません。 通る声でありながら、空間を圧迫しない絶妙な音量を、講師同士でフィードバックし合う習慣をつけてください。


4. 自習室の聖域化

新規開校の塾が最も苦労するのが、自習室の文化作りです。

一度「お喋りしても怒られない場所」という認識が広まってしまうと、後から修正するのは至難の業です。

沈黙は資産である

自習室においては、完全な静寂ではなく、鉛筆の音とページをめくる音だけが響く状態を目指してください。

この音こそが、学習塾における最高の活気です。

開校初期に、少しでも私語をする生徒がいれば、その場で(しかし感情的にならずに)毅然と注意する必要があります。

何事も最初が肝心だということです。

休憩と学習のメリハリ

生徒に息抜きは必要ですが、それを学習スペースで行わせてはいけません。 飲食や談笑ができるスペースと、集中するスペースを物理的、あるいは時間的に明確に区別してください。

この境界線が曖昧になると、校舎全体が騒々しい方向へと流されていきます。


5. 生徒との距離感のマネジメント

「親しみやすさ」と「馴れ合い」は似て非なるものです。

新規開校時は生徒数が少ないため、一人ひとりと深く関わろうとするあまり、距離感が近くなりすぎる傾向があります。

敬語の重要性

講師が生徒に対して過度に崩れた言葉遣いを使うのは危険です。言葉の乱れは、態度の乱れにつながり、最終的に校舎のムードを壊します。 丁寧な言葉遣いを維持することで、適度な緊張感と相互の敬意が生まれます。これが、明るくも規律のある活気の土台となります。

承認の文化を作る

活気を作るために必要なのは、騒ぐことではなく、生徒の小さな変化や努力を認めることです。 テストの点数が上がった時だけでなく、計算スピードが速くなった、欠かさず宿題を提出した、といったプロセスを講師がしっかり見ていることを伝える。 この「見られている感」が、生徒に心地よい緊張感を与え、前向きなムードを作り出します。


6. クレームを未然に防ぐ雰囲気作り

保護者が塾に求めるのは、成績向上はもちろんですが、それ以前に「安心して子供を預けられる環境」です。

緊張感のない塾は不信感を招く

面談などで来校した保護者が、生徒の騒がしい様子や講師の締まりのない態度を目にすれば、どれだけ立派なカリキュラムを説明しても説得力はありません。 逆に、生徒たちが静かに、しかし集中して机に向かっている光景は、どんな営業トークよりも強力な安心材料となります。

違和感を見逃さない

校舎長は、常に校舎全体の空気にアンテナを張ってください。 「今日は少し生徒の浮き足立っているな」「講師の対応が少し雑になっているな」といった微細な違和感を察知し、その日のうちに修正することが重要です。 放置された小さな騒がしさは、数週間後には制御不能な混乱へと成長します。


7. まとめ:文化は最初の一ヶ月で決まる

新規開校の事務手続きや集客に追われる中で、雰囲気作りを後回しにしてはいけません。 塾の文化は、最初に入学した数名から十数名の生徒と、立ち上げメンバーである講師たちの振る舞いによって固定化されます。

一度定着した文化を書き換えるには、構築する時の数倍のエネルギーを要します。 開校初日から、 「ここは真剣に学ぶ場所である」 「しかし、努力を応援してくれる温かさがある」 というメッセージを、空間全体で表現してください。

明るさと活気は、厳格な規律という土台の上にのみ成立する、高次元の運営状態です。 騒々しさに逃げることなく、生徒が自らの成長に集中できる最高のムードを構築されることを期待しております。


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