【決定版】学習塾運営の成否は「テスト後のフォローアップ」で決まる!生徒の未来を育む塾の最重要戦略

学習塾の経営において、生徒募集や集客に力を注ぐことはもちろん重要です。
しかし、それ以上に重要なのが、一度入塾した生徒に長く通い続けてもらうことです。多くの塾が退塾率の高さに頭を悩ませていますが、その大きな要因の一つが「定期テスト後の対応」にあることをご存知でしょうか。
保護者が退塾を決断する瞬間
保護者がお子さんを塾に通わせる一番の理由は、やはり「成績を上げること」、そしてその先に「志望校に合格すること」です。
塾に高い期待を抱いて入塾させ、月謝という対価を支払っています。
そんな保護者が最も大きな不満を抱き、退塾を検討し始める瞬間はいつか。
それは、定期テストの結果が思わしくなかった時に他なりません。
「塾に通っているのに、なぜ成績が上がらないの?」
「こんな結果になるなら、塾に通わせる意味がないのでは?」
この感覚は、自分が親になった気持ちで、子どもたちの結果をみればわかることでしょう。芳しくない結果になったのに、それが平気でいられる親はいません。
必ず心のどこかに不満を抱きます。
このような不満は、保護者の中でゆっくりと、しかし確実に膨らんでいきます。そして、その不満がピークに達した時、退塾という決断が下されるのです。
ここで重要なのは、保護者には入塾・退塾を決定する全権があるということです。
塾側がどれだけ良い授業を提供していても、どれだけ熱心な指導をしていても、保護者の期待に応えられなければ、関係はあっけなく終わってしまいます。
教室長、塾長、オーナーの方々が勘違いしてしまうのは(正直、私も経験があります)
生徒はこの塾をものすごく気に入っているからやめることはないだろう・・・
生徒にはここで友達も多いのだからきっと残ってくれるだろう・・・
今回の結果は、受講教科ではないし大丈夫だろう・・・・
昨日、この場で楽しく会話したのだから、やめるという決断はなかろう・・・
これらは全部勘違いです。
つまり、こういうことです。
生徒が教室を気に入っている、生徒お気に入りの講師がいる、
そういった生徒目線での予想は、テスト結果次第でおおいに裏切られるということを肝に銘じておいたほうがいいでしょう。
決めるのは保護者です。
どのような決断であっても最終決断は保護者だということです。
この絶対原則は押さえておいてください。
塾運営で最も重要なのは、「保護者の期待に応え続け、不満を最小限に抑えること」です。そして、その鍵を握るのが、まさに定期テスト後のフォローアップなのです。
フォローアップを怠ることで起こる「不満の爆発」
定期テストの結果が芳しくなかった生徒に対し、以下のような対応をしていないでしょうか。
- テスト後の結果確認を後回しにする
- そもそも結果について触れない
- 形式的な対応で済ませる
- 「次頑張ろうね」と軽く声をかけるだけで終わる
もしこのような対応をしていれば、それは危険信号です。テストの結果が悪い時こそ、保護者は塾の真価を問います。
「先生から何か連絡があるはずだ」
「どうして結果が悪かったのか、ちゃんと説明してくれるはずだ」
↑
この期待値、わかりますでしょうか。
再度、この悪い点数をとった子どもは自分の子どもなのだと無理やりでも想定してみてください。じわじわと、ふつふつと、イライラとする感覚が出てきませんか?
悪い点数をとったわが子に対してのフォローがない塾に、「まぁ、それでもよかろう」と思えますか?
何か連絡があるに違いない・・・
そう期待している時に、何もフォローがなければ、保護者の不満は一気に爆発します。
「結果が出ないうえに、塾からのフォローもない。この塾は本当に大丈夫なのか?」
一度抱いた不信感は、簡単には拭えません。
そして、その不満は「退塾」という形で表れてしまうのです。逆に言えば、テスト後のフォローアップを徹底することで、保護者の不満を解消し、信頼関係を築くことができるのです。
徹底すべき「定期テスト後のフォローアップ」5つのステップ
では、具体的にどのようにフォローアップをすればよいのでしょうか。ここからは、すぐに実践できる5つのステップをご紹介します。
①テスト後、すぐに結果をしっかりと聞く
テストが終わったら、すぐに生徒に声をかけ、結果を聞きましょう。
「テストどうだった?」
「点数教えてくれる?」
この時、テストの結果が良かったか悪かったかに関わらず、結果を真摯に受け止める姿勢を見せることが重要です。生徒は点数が悪いと隠したがるものです。
だからこそ、「どんな結果でも大丈夫だよ」という安心感を与え、正直に話してもらえる環境を作りましょう。
②平均点も聞く
テストの点数だけでなく、学校の平均点も必ず聞きましょう。
点数が悪くても、平均点より高ければ、それは評価すべきポイントです。逆に、点数が良くても平均点も高かった場合は、さらに上を目指すための課題が見えてきます。
点数だけで一喜一憂するのではなく、全体の中でどういう位置にいるのかを把握することが大切です。
③生徒と一緒に徹底的に分析する
ここが最も重要なステップです。テストの答案用紙を見ながら、生徒と一緒に結果を徹底的に分析しましょう。
- なぜこの問題で間違えたのか?
- ケアレスミスなのか、根本的な理解不足なのか?
- 時間が足りなかったのか、それとも勉強時間が足りなかったのか?
- どの単元が苦手なのか?
生徒自身が「なぜうまくいかなかったのか」を言語化し、自己分析する手助けをしてください。このプロセスを通じて、生徒は自分の弱点を客観的に捉えることができるようになります。
④面談内容をきちんと記録する
生徒との面談で話した内容は、必ず記録に残してください。
- テスト結果(点数、平均点)
- 良かった点、悪かった点
- ミスの原因(ケアレスミス、理解不足など)
- 今後の学習計画(どの単元を復習するかなど)
- 生徒の反省の言葉や決意
これらの記録は、次回の面談や保護者への報告時に役立つだけでなく、生徒自身の成長記録にもなります。
⑤保護者へ報告する
面談内容をまとめたら、すぐに保護者へ報告しましょう。報告のタイミングが遅れると、保護者の不満が募る原因となります。
まとめて言いますと、
テスト後に点数を聞いて、結果が悪かった生徒とは二者面談をします。そして、真剣に向き合って反省会を実施するのです。生徒からそういう言葉を引き出せればいいでしょう。
また教室としてももっとこうすべきだった・・この点は反省するよ、というスタンスを生徒に見せると信頼感が増します。
そのうえで、「今後どうする」という部分をしっかりと話し合うのです。
保護者への報告で入れるべき3つのこと
保護者への報告は、ただ結果を伝えるだけでなく、「信頼」を築くための重要なコミュニケーションです。以下の3つの内容を必ず含めましょう。
1. まずは謝罪
まずは、期待に応えられなかったこと、テストの結果が思わしくなかったことについて、塾として真摯に謝罪の気持ちを伝えてください。
結果が悪かったことを生徒のせいにしては絶対にダメです!!
「この度は、〇〇さんの定期テストで思うような結果が出せず、大変申し訳ございません。」
この一言があるだけで、保護者は「一緒に結果に向き合ってくれている」と感じ、安心感を覚えます。
この謝罪の部分について
・なぜ塾が謝罪しなければいけないのかわからない
・だってこの生徒は、普段から勉強の意欲がないのだから結果は当然だろう
・遅刻も多いし、宿題もやってこないし、それは保護者側にも問題があるのでは?
こんな風に1ミリでも思ってしまったら、保護者はその塾側の思いを敏感に感じ取ります。
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【実例(実話)】
この実例(実話)のコーナーは、私が経験してきたことや、管轄の他教室で実際に起こったことを生々しく書いています。
とある教室(仮称A教室)の教室長には、何度も何度も定期テスト後のフォローアップが最重要なんだよということを伝えてきました。日々の連絡事項の中で、最も力点を置いているのは、この定期テスト後のフォローアップです。ほかの業務が「重要」だとしたら、このフォローアップは「最重要」「超重要」として表示するぐらいです。
他のやらなくてはならないtodoよりも優先度がとても高いということです。
A教室の教室長・・・残念ながら あるテスト後のフォローアップをほぼサボってしまいました。
結果どうなったか・・・・。
推して知るべしです。退塾者がボロボロでました。
そして、A教室の教室長に「フォローアップをやったのかどうか」を聞いた際、多忙で出来ていなかったという回答でした。
2. 生徒と話し合った反省点と今後の取り組み
次に、生徒と面談した内容、反省した点を具体的に報告します。
「〇〇さんと一緒にテストを見直しました。本人は『〇〇の問題で時間がかかってしまい、最後まで解ききれなかった』と反省していました。」
そして、その反省を活かして、今後どのように学習を進めていくのかを伝えます。
「今回の結果をふまえ、〇〇さんの苦手な〇〇の単元を、〇〇の教材を使って徹底的に復習していく計画を立てました。」
生徒が主体的に反省し、次に向けて前向きに取り組んでいる姿勢を伝えることで、保護者の安心感はさらに高まります。
3. 今後どうするかをまとめた内容
最後に、今後の具体的な学習計画を伝えましょう。
「次回のテストでは、〇〇点以上を目指して、〇〇の単元を中心に学習を進めていきます。また、ご家庭でも〇〇の復習にご協力いただけると幸いです。」
このように、具体的な目標と計画を共有することで、保護者は「この塾に任せておけば大丈夫だ」と確信を持つことができます。
徹底したフォローアップが「退塾率の低下」につながる
以上のプロセスを丁寧に行うことで、
たとえテスト結果が悪かったとしても、保護者の不満は「失望」から「共感」へと変わります。
「結果は残念だったけれど、塾が真剣に向き合ってくれているから大丈夫だ」
そう思ってもらえる塾は、保護者からの信頼を失うことはありません。
退塾率が高い塾は、生徒や保護者とのコミュニケーションが不足している傾向にあります。特に、成績が悪かった時のフォローアップを怠っているケースがほとんどです。
しかし、今回ご紹介した方法を実践すれば、生徒一人ひとりと真摯に向き合い、保護者との強固な信頼関係を築くことができます。
それが、結果として退塾率の低下につながり、塾の安定した経営を実現するのです。
学習塾運営で最も重要なのは、「テスト後のフォローアップ」です。
これを徹底することで、生徒の成長を促し、保護者の期待に応え、そして塾の未来を築き上げていくことができるでしょう。

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