新しい時代の学習塾はデジタル化とともに一気に拡大する:異業種参入が創る教育の多様性

確実に進むデジタル化

新しい教育の形が模索されている"今"

少子化が進む現代において、学習塾業界は変革の時を迎えています。

学校の補習や受験対策を行う場という従来の役割を超え、新しい価値観と教育モデルを創出することが求められています。

この大きな変化のうねりの中で、既存の概念にとらわれない異業種からの参入が、業界全体に新風を吹き込む鍵となるでしょう。


なぜ今、学習塾業界に異業種参入が必要なのか?

学校や教育業界が本質的に消滅することはないでしょう。

なぜなら、子どもたちの学びたい、成長したいという根源的な欲求と、保護者の「より良い教育を受けさせたい」という願いは普遍的だからです。

そして何より、教育の中には、一般的な教科学習以外の情操的教育、道徳的教育、倫理教育や人間社会で生きていくための重要なコミュニティーに伴った教育、基礎体力、健康、その他たくさんのカテゴリがあり、それらは現状、どれ一つとして欠けてはいけないものだからです。

しかし近年、

そのあり方は大きく変化していきます。従来の画一的な指導スタイルでは、多様なニーズに応えることが難しくなっています。

デジタル化の波、働き方の変化、そして価値観の多様化が、教育のあり方そのものを再定義しています。

塾業界で勤務しているとこの大きな変化を肌感覚で感じとることが出来ます。

例えば、共働き家庭が増え、保護者が子どもの送迎や面談のために時間を確保するのが難しいという現実があります。

ご家庭における教育方針においても、子どもたちの個性や興味をとらえた画一的ではない教育カリキュラムを望まれる保護者が増加しています。

このような状況において、異業種が持つ独自のノウハウや視点が、学習塾業界に新しい風を吹き込むことになるでしょう。

例えば、

・IT企業が持つオンラインプラットフォーム開発の知見
・コンサルティング会社が持つ個別最適化のノウハウ
・エンターテイメント企業が持つコンテンツ制作モチベーション管理の手法
・その他の習いごと教室との結合によるワンストップ指導教室の確立


など、既存の学習塾にはない強みをもった企業やサービス保有会社、はたまた個人の方が独自のサービスを導入、開発していきながら、学習塾との親和性をさらに増していく流れは、容易に想像できるのです。

これらの異業種の知見が融合することで、これまでの常識を覆すような、画期的な教育サービスが生まれる可能性を秘めていると言えるでしょう。


1.オンライン化がもたらす教育の変革

「オンライン化」は、学習塾業界における最大のキーワードの一つです。

単に物理的な制約を取り払うだけでなく、教育のあり方そのものを根本から変える力を持っています。すでに多く普及しつつありますが、通常の対面の学習塾との違いは、やはり目の前に先生がいるかどうかの違いです。
しかし、これは小さな違いとは言い難く、まだ溝は少し大きめです。
従って、一番はオンライン授業の質向上がテーマとなります。

a. オンライン授業の質を担保する工夫

オンライン授業は、対面授業と同じ質の担保が課題とされてきました。しかし、これを克服する新しい手法が次々と生まれています。

  • 双方向性の最大化: ライブチャットやQ&A機能を活用し、生徒がいつでも質問できる環境を構築。また、ブレイクアウトルーム機能を使って少人数のグループワークを頻繁に行うことで、生徒同士の交流と主体的な学びを促します。

ただし、これには賛否あります。
いわゆるチャット機能が使えるサービスのほとんどに、DM(ダイレクトメール)機能や、グループチャットを簡単に作成できる機能があります。
保護者の視点からすれば、生徒同士、はたまた生徒と講師がDMでつながることに不安や心配の声も非常に多くあるのです。

この仕組みは、保護者の懸念を踏襲してその安全性を訴求していくほうが良いでしょう。

  • 五感に訴えるコンテンツ: 一方的な講義形式ではなく、インタラクティブな動画教材や、バーチャルリアリティ(VR)を活用した実験・体験コンテンツを導入することで、生徒の集中力を維持し、学習効果を高めます。

VRにおける問題点は、生徒側の視点です。画面酔いであったり、その感覚を嫌う生徒もいるでしょう。確かに非常に画期的ではありますが、より自然なリアリティ追及が必要になると思います。
ただ、今、技術は日進月歩どころではなく、ブーストした状態で進歩し続けていますので、早晩、まるで映画の世界のような教育が現実になるのではないでしょうか。

  • AIを活用した個別指導: 生徒の学習履歴や理解度をAIが分析し、一人ひとりに最適な問題や解説を提示します。これにより、オンラインでありながら、対面以上の個別最適化された指導が可能になります。

新しい潮流の一歩として一番導入しやすいのが、AI活用です。
すでに多くの学習塾が取り入れていますが、個別の状況把握という観点で言えば、個別指導塾との親和性が非常に有効です。

なぜなら、
AIが何を分析するのか?との問いには、生徒状況の分析と答えることが出来るからです。

もし、学習塾を買収することを検討されている方は、この「AI」というキーワードについては、個人買収でも十分に叶いますので、検討の一番に入れておくとよいでしょう。
AI関連を自己資金で開発するとなると・・・それはかなりのお金が必要になり、現実的ではありません。その仕組みを持った学習塾で個別指導塾の買収がオススメです。

b. オンライン保護者面談のメリット

保護者面談もオンライン化することで、双方にとっての利便性が飛躍的に向上します。

  • 時間と場所の制約解消: 保護者は仕事の合間や自宅からでも面談に参加できます。塾側も、夕方や週末に集中しがちな面談を分散して実施できます。
  • データに基づいた面談: オンラインシステムを通じて、生徒の学習データや進捗状況を事前に共有。保護者は画面を見ながら具体的なデータに基づいて相談できるため、より建設的な話し合いができます。
  • 多様な保護者の参加: 遠方に住む保護者や、多忙で物理的な来訪が難しい保護者も気軽に面談に参加できるため、保護者との連携がより密になります。

すでに昨今、ビジネスシーンにおける打ち合わせは、それが最初の顔合わせであってもzoomやgoogleなどのWEBミーティング利用をするケースが一般的になりつつあります。
これはお互いの時間的、お金面でのコストを軽減できるメリットがあるからです。

同様に、保護者との面談においてもzoom面談は通常面談と同じように展開することが出来ます。



事例(実話)コーナー

【実例(実話)】

zoomでの面談を行ったのは、やはり2020年~2021年です。教室内で面談とzoomによる面談が6:4ぐらいだった記憶があります。
こちらは、保護者様に選択いただくやり方で進めていきました。

zoom面談は、教室側がホストとなります。
保護者様にはあらかじめメールなどで、zoom参加のためのURLとIDとパスワードを送信しておきます。

そこには、デスクトップパソコンでの参加の場合の注意点(カメラがないと参加できない)、ノートパソコンの場合(ノートの場合はたいてい内蔵カメラがついている)のやり方、そしてipadやiphone、アンドロイドデバイスでの参加のやり方(アプリをダウンロード、インストール)を添えます。

実験を含めて事前準備をしていただく必要がありました。

相手に音声が届いていない、相手の声が聞こえない、映像が出ないなどなどいろいろアクシデントがあったものの臨機応援に対応できていたと思います。

その際、zoomでは表情や会話内容を聞いてもらうことは出来ても、やはり資料を提示しなければ印象はすぐに薄れてしまいます。

そのため、説明する資料をPDF化して、ファイルに説明順の番号を付けてフォルダ保存しておく準備が必要です。

あとは、zoomの画面共有の機能を使って、ファイルを順番に説明していくという流れです。

やはり、それだけだとzoom面談の締めくくりとしては弱いため、一連の説明ファイルをzipファイルなどに圧縮して、保護者様に送信しておいたほうが無難です。


2.複合的ニーズに対応する新しい塾の形

現代の子どもたちは、画一的な指導だけでは解決できない複合的な課題を抱えています。

これまでの「学校の成績を上げる」「志望校に合格する」という学習塾に求めるシンプルな目標だけでなく、

・「英検も取得したい」
・「プログラミングも学びたい」
・「小論文の書き方を学びたい」
・「理科の実験を目の前で見たい」


といった複数のニーズに応える塾が求められています。

a. 専門特化型×統合型のハイブリッドモデル

事例として

「英検取得+学校補習+受験対策」を最初から組み合わせたカリキュラムは、その代表例です。

英語を学ぶ目的を「英検合格」という明確な目標に据えながら、学校の定期テスト対策と、最終的な大学受験対策をシームレスに連携させます。

これにより、生徒はそれぞれの目標に合わせて学習方法を変える必要がなく、効率的に学力を向上させることができます。

昨今の小学生指導の中で、英語を検討される保護者の割合は年々増加しています。英検受験者数の推移を見てもその人気がよくわかります。

b. 短時間での「切り取り指導」

従来の60分、90分といった固定された授業形式ではなく、20分程度の短い時間で特定の課題に特化して指導する「切り取り指導」は、多忙な現代の子どもたちに最適なサービスです。

  • ピンポイントな弱点克服: 「今日の数学の宿題がわからない」「この英語の長文読解だけ教えてほしい」といった、特定の課題を短時間で解決します。
  • スキマ時間の有効活用: 部活動や習い事で忙しい生徒でも、移動時間や休憩時間など、わずかな時間で受講可能です。
  • 個別最適化: 講師は一つの課題に集中して指導できるため、生徒一人ひとりの理解度や進捗に合わせて、よりきめ細やかなサポートを提供できます。


3.学校現場との連携という新たな潮流

2026年から開始が予定されている「教員資格を持つ塾講師が臨時教員として学校に派遣されるモデル事業」は、学習塾業界と学校教育が連携する新たな段階に入ったことを示しています。

この事業は、産休や育休などで生じる教員の欠員を補うだけでなく、学習塾が持つ多様な指導ノウハウや個別指導の技術を学校教育に取り入れる絶好の機会です。

学校の教員は集団指導に長けていますが、一人ひとりの生徒の特性に合わせた指導は難しい側面があります。一方、学習塾の講師は、生徒のモチベーションを引き出すことや、弱点を効率的に克服させるノウハウを豊富に持っています。

この連携が深化すれば、

学校と塾が競合する関係から、協力し合う関係へと変わっていくでしょう。

塾は学校教育の補完的な役割だけでなく、学校教育そのものを内側からアップデートするパートナーとなり、教育全体がより良い方向へと向かいます。

異業種参入が創出する新しい価値観(例)

異業種参入の強み新しい塾の価値観具体的サービス例
IT・テック企業オンラインプラットフォーム開発、AI技術データドリブンな個別最適化学習データに基づきAIが自動で問題を作成・出題する塾。
エンタメ・コンテンツ制作会社コンテンツ制作、心理学に基づいたモチベーション維持学びをエンタメ化する塾ゲーム感覚で学べるアプリや、動画コンテンツで楽しく学べる塾。
人材・コンサルティング会社キャリア形成、課題解決のノウハウ将来のキャリアと連動した塾生徒の個性や将来の夢から逆算して学ぶべき科目を提案する塾。
フィットネス・ウェルネス業界メンタルケア、健康管理のノウハウ心身の健康を育む塾休憩時間に瞑想やストレッチを取り入れ、集中力を高める指導を行う塾。
金融・証券会社経済教育、ファイナンシャルリテラシーお金の教育も行う塾数学や社会科の授業で、株式投資や資産形成を教える塾。


まとめ

学習塾業界は、単なる補習や受験対策の場から、子どもたちの個性や才能を最大限に引き出し、社会で生き抜く力を育む「多様な学びのプラットフォーム」へと進化しています。この変革の原動力となるのが、既存の枠組みにとらわれない異業種からの積極的な参入です。

オンライン化による学習の個別最適化、複合的なニーズに応える新しいカリキュラム、そして学校教育との連携といった新たな潮流は、まさにその証左です。それぞれの異業種が持つ独自のノウハウと視点を融合させることで、これまでの常識を覆すような新しい教育モデルが次々と生まれるでしょう。

学習塾業界は、もはや単一の産業ではありません。

それは、教育、テクノロジー、心理学、そしてエンターテイメントが複雑に絡み合う、未来志向の複合的な領域へと変貌を遂げているのです。

この大きな変化の波に乗ることで、業界全体はさらなる発展を遂げ、子どもたちの可能性を広げる豊かな土壌を創出していくことでしょう。

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