中学受験4教科の「精鋭」と、早期英語学習の「先鋭」 – それぞれが描く理想の学び方
中学受験は、お子様とそのご家庭にとって大きな節目です。難関校合格を目標に、国語、算数、理科、社会の4教科の学習に膨大な時間を費やすことは、お子様の学力と思考力を飛躍的に伸ばす絶好の機会となります。しかし、この時期の学習は、中学受験をしないお子さんたちの学習スタイルとは、根本的に異なるアプローチが求められます。
準テーマとしては
英語力の差は将来の大きな差
中学受験で私立中へ進学しようと、中学受験をしないで公立中へ進学しようと、英語の重要性は非常に高い!ということです。

本稿では、中学受験を4教科で目指すご家庭の戦略と、中学受験をしない約82%のお子さんが、なぜ小学生のうちに英語学習を始めるべきなのかを、それぞれの立場から掘り下げて解説します。
中学受験4教科に絞る理由と、そのメリット
中学受験の合否を分けるのは、主に算数と国語の得点力です。この2教科で高い得点力を安定して出すためには、幼少期から積み重ねた知識と論理的な思考力が不可欠です。
さらに、理科と社会も近年、単なる暗記問題ではなく、複合的な思考力を問う問題が増加しています。
ここで、一部の学校で採用されている「英語」を入試科目とする選択肢が浮上しますが、私たちはあえて4教科での受験をお勧めします。その理由は以下の通りです。
1.「差」がつきにくい入試科目としての英語
中学入試における英語は、多くの受験生にとって、まだ学習歴が浅い科目です。そのため、入試問題も比較的基礎的な内容に留まることが多く、他の3教科に比べて、受験生同士で大きな得点差がつきにくい傾向にあります。
入試の合否は、わずかな得点差で決まることが少なくありません。そのような状況で、得点差がつきにくい英語に時間を割くよりも、算数や国語といった、受験生の得意・不得意が明確に表れる科目で得点力を磨き、圧倒的な差をつける方が、合格への確実性が高まります。
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【実例(実話)】
ではここで、恒例の実例実話コーナーです。
中学受験の生徒さんと保護者さんとの初期の面談の際に志望校、受験校、学習計画についての話し合いをした際、「算数と国語と・・・英語が得意なので英語で考えているのですけど」と言われた、0.1秒後、「いや、それはやめたほうがいいです」と答えたことがあります。
あまりに即答だったので、後から反省しましたが、きちんと理由を説明いたしました。
①英語が得意な子、例えば小学生で英検4級とか3級、準2級取得の子はとても多い
②英語では差がつきにくい

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こちらのグラフは、英検協会のサイトにあるデータをグラフ化し直したものです。数値は同協会サイトに記載の内容そのままです。
英検の需要増は年々高まっており、大学入試、高校入試でも英検を取得していることのメリットが多いです。
【大学入試における英検取得メリットと出願時活用及び出願条件など】
大学受験では、英検の活用事例が非常に多いです。
・試験での活用
共通テストや個別試験で得点換算・加点される
・英語の個別試験が免除される
出願時の活用
合格級、またはスコアを出願資格の条件に指定している大学もあります。これは大学側が設ける基準以上でないと出願できないという制度です。
また、一部の大学では、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜において2級以上を取得、または英検CSEスコアが1,980以上であることを出願条件とするなどの縛りを設けているところもあります。
【高校入試における英検取得メリット】
公立高校、私立高校ともに英検取得によって内申点に加点されるケースがとても多いです。3級、準2級の採用が目立ちます。
ここまで書くと中学受験ではどうなのかも気になるところだと思います。
【中学受験における英検取得メリット(千葉県事例)】
こちらは千葉県ですので、千葉県の概要をリサーチしてみましたのでご参考にされてください。
中学受験の加点でごく一部の学校が3級以上、4級以上としていますが、この級の取得者は小学生ではとても多くなっています。
以前は小学生=5級というスタンダードでしたが、今は4級、3級です。
実際、過去に、「算数、国語、英語」の3科目受験をされた生徒さん(仮称A君)がいらっしゃいます。
A君が受験後に言っていたのは、
「英語は15分で終わってしまった・・・みんなそのぐらいで終わっていた」とのことでした。
お母様も結果で驚いたようです。
案の定・・・と言いますか、推して知るべしです。
英語は高得点者だらけで、英語が得意という優位性が試験ではアドバンテージにはならなかったという事例です。
簡単に言えば、英語はデモンストレーション的な試験で、実質「算数と国語の受験と一緒だよね」という状況でした。
この方式をとり続けたA君、、、結局受験のラストのラストまで学校を受けることになったのです。最終的に合格した学校はありましたが、英語受験についてはお母さんも本人もずっと後悔していました。
算数、国語、英語という選択をしたため、受験学習の中で「英語」を取り入れたのですが、その時間がとれるなら、4科目受験で理社の学習をすべきだったという後悔でした。
2.4教科に集中することで得られる「質の高い学び」
算数や国語、理科、社会は、論理的な思考力や表現力、知識の活用能力といった、お子さんの「総合的な学力」を養う上で不可欠な科目です。中学受験の過酷な競争の中でこれらの科目を深く学ぶことは、お子さんの学習に対する姿勢や、物事を深く考える習慣を身につける上で、非常に価値のある経験となります。
英語を入試科目として加えることで、学習すべき科目が5つに増え、一つひとつの科目に割ける時間が減ってしまいます。4教科に絞り、各科目の学習を徹底することで、お子さんの思考力や探究心をより深く磨き上げることができます。これは、中学受験後の学習にも大いに役立つ、一生ものの財産となります。
中学受験をしないお子さんこそ、英語を最優先すべき理由
文部科学省の調査によると、約82%の小学生は中学受験をしません。この82%のお子さんにとって、小学生のうちに英語学習に取り組むことは、将来の選択肢を大きく広げる上で、非常に重要な戦略となります。
1.中学入学後の英語学習に、圧倒的なアドバンテージを
中学受験をするお子さんが4教科に集中している間、受験をしないお子さんは英語学習に十分な時間を割くことができます。この時間の使い方が、中学入学後の英語学習に大きな差を生み出します。
中学に入ると、本格的な文法学習が始まりますが、小学校のうちに英単語や簡単な文法、発音に親しんでいれば、中学の授業をスムーズに理解することができます。すでに基礎が固まっているため、応用問題や発展的な学習にも余裕をもって取り組むことができ、早い段階で英語を得意科目とすることができるのです。
2.「受験」に縛られない、質の高い英語学習が可能に
中学受験をしないお子さんの英語学習は、「入試で点を取る」という目的から解放されています。そのため、教科書や受験に特化した教材だけでなく、アニメーションやゲーム、絵本、オンライン英会話など、お子さんが心から楽しめる学習方法を自由に選ぶことができます。
この時期に「楽しい」と感じながら英語に触れることで、英語に対する抵抗感がなくなり、自然と英語を身につけることができます。英語を「学ぶ」のではなく「使う」経験を積むことで、コミュニケーションツールとしての英語を体得し、より実践的な英語力を養うことができます。
3.国際社会で活躍する素養を早期から養う
グローバル化が加速する現代社会において、英語はもはや「特別なスキル」ではありません。将来、どのような職業に就くとしても、英語力は不可欠な素養となりつつあります。
小学生のうちに英語に親しむことは、海外の文化や考え方に触れるきっかけにもなります。これにより、多様な価値観を理解し、国際社会で活躍するために必要な素養を早期から養うことができます。これは、中学受験という短期的な目標に縛られないからこそ、できる学習法だと言えるでしょう。
まとめ:それぞれの目標に応じた、最適な学習戦略を
中学受験をするお子さんにとって、4教科に集中し、徹底的に思考力を磨くことは、難関校合格という目標達成のために極めて有効な戦略です。
一方、中学受験をしないお子さんにとっては、その時間を英語学習に振り向けることで、中学入学後の学習を優位に進め、将来の可能性を広げるための大きな武器となります。
どちらの選択肢も、お子さんの成長にとって価値のあるものです。重要なのは、それぞれの目標に応じた最適な学習戦略を立て、お子さんをサポートすることです。中学受験を選択したご家庭は、受験が終わった後に英語学習を本格的に始めることで、新たなステージへと踏み出せます。そして、中学受験をしないご家庭は、小学生のうちに英語学習を最優先することで、お子さんの学習に好循環を生み出せるでしょう。

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