学習塾・習い事教室に最適な物件選びの秘訣とは? 外観、階数、内部仕様から契約交渉まで徹底解説!

2025年06月05日

新規開校

学習塾や習い事教室の開校を検討されている皆さん、物件選びは成功の鍵を握る重要なステップです。立地や広さだけでなく、建物の外観階数内部仕様、そして契約条件まで、多岐にわたる視点から最適な物件を見つけるためのポイントを徹底解説します。初期費用を抑え、安定した教室運営を実現するための実践的なノウハウをご紹介します。

外観の重要性:集客力を高める「顔」の役割

教室の外観は、生徒や保護者が最初に目にする「顔」であり、教室の印象を大きく左右します。特に1階店舗の場合、その視覚的なインパクトは集客に直結します。

開放感と視認性を重視した間口とガラス面

  • 広い間口: 1階店舗では、間口が広いほど視認性が高まり、通行人の目を引きやすくなります。間口は入口の印象を決定づけるため、開放感がある物件は入塾へのハードルを下げます。
  • ガラス面の多さ: ガラス面が多い物件は、内部の様子が外から見えるため、安心感信頼感を与えます。コンビニエンスストアのように明るくオープンな雰囲気は、「中の様子が見える」ことで生徒や保護者に良い印象を与え、入りやすい空間だと感じさせます。
  • 日中の印象も重要: 「塾は夕方から夜がメインだから夜の見栄えが良ければいい」と思われがちですが、日中の印象も非常に重要です。明るく清潔感のある外観は、日中も潜在的な生徒や保護者に良いイメージを与え、集客につながります。

昼間は外のほうが明るいため、意外と暗く見えてしまいます。日中の明るさは採光が取れているかどうかの差が大きいため、別件を見学に行った際も照明をつけてみて、どんな風に見えるのかを確認しましょう。


階数の選び方:生徒の目線に合わせた最適な選択

物件の階数は、生徒の通いやすさや集客に大きく影響します。

1階物件の優位性とその理由

  • 高い視認性: 人が普通に歩いている目線の高さにある1階店舗は、最も目に留まりやすく、生徒や保護者にとってアクセスしやすいという大きなメリットがあります。車や自転車での移動中でも視認性が高いため、通りがかりの目に触れる機会が多くなります。
  • 安心感と利便性: 上層階と比較して、災害時の避難経路や防犯面での安心感も高く、小さな子どもを通わせる保護者にとって魅力的な要素です。

上層階物件を選択する場合の注意点

  • 外からの印象が重要: 1階で間口が狭く中の様子が見えない物件より、3階であってもビル全体の見た目やセキュリティ面がしっかりしている物件の方が、かえって良い印象を与える場合があります。
  • 「中の様子が見えない」対策: 上層階の場合は、入口ドアに入ってからの空間や、ウェブサイト、SNSなどで教室の雰囲気を積極的に伝える工夫が必要です。

内部仕様:初期費用を大幅に削減する「事務所仕様」のメリット

学習塾や習い事教室の開業において、内部仕様は初期費用を大きく左右する重要な要素です。

なぜ「スケルトン」を避けるべきなのか

  • 高額な初期費用: スケルトン物件は、内装工事を一から行うため、床、壁、天井、電気、水道、空調など、全てを新たに設置する必要があります。これにより、初期費用が大幅に高騰します。
  • 解約時のコスト: 退去時にも原状回復費用として高額な費用が発生する可能性があり、想定外のコスト増につながります。
  • 飲食店舗との違い: 飲食店舗などではスケルトンから作り上げることが多いですが、学習塾や習い事教室に必要な設備は比較的シンプルです。

【実話(体験談)】
脱サラをしたばかり一番最初の頃、大失敗をした経験があります。右も左もわからず、ただ勢いだけは威勢よく、怖いもの知らずでした。
借りた物件は、行徳駅のとある場所です。

スケルトンだったのです。
つくり上げるときにもそれなりにコストがかかりましたが、解約したときに、原状回復費用で100万円ぐらいかかりました。
新たに100万円はとてもきつかったので、たしか保証金からとってもらうかたちにしたのです。
これは痛かったです。

ここに至るまでの諸々の経緯もあるのですが、上記のとおり結末だけご報告です。

スケルトン物件を借りるとしたら、入居時の工事費用と解約時の原状回復費用で、非常にコスト高になってしまいますから、学習塾や習いごとでの起業を考えているのであれば、絶対と言っていいぐらい避けたほうがいいです。

「事務所仕様」物件がベストな理由とチェックポイント

事務所仕様」の物件は、内装工事がほとんど不要な場合が多く、初期費用を大きく削減できます。開業時の資金を設備投資や広告宣伝費に回せるため、経営を有利に進められます。

ネットで物件を探す際も

「貸事務所」で検索するといいでしょう。「貸店舗」でもヒットすると思いますので両方試してみてください。

最高なのは以下が整っていることです。

事務所仕様の物件を探す際にチェックすべきポイントは以下の通りです。

  • トイレ: 物件内専用か共用かを確認します。生徒の利用頻度を考えると、物件内にある方が理想的です。
  • : カーペットが貼られているか否か。カーペットが貼ってある場合、防音効果や足元への配慮としても優れています。
  • : クロスが貼ってあるか、ボード剥き出しになっていないかを確認します。そのまま使用できる状態が望ましいです。
  • 換気扇・エアコン: 設備として設置されているか。特にエアコンは後から設置すると高額な費用がかかるため、最初から備え付けられている物件が理想的です。
    • 重要: エアコンなどが最初から設置されている場合、万が一の修理責任は物件オーナーになることが多いです。(重要事項説明書などを要チェック)
  • 照明: LEDかどうか、十分な照度があるかを確認します。学習環境に適した明るさが確保されていることが重要です。
  • シンク: 手洗い用のシンクがあるか。衛生管理上、手洗い場があることは必須です。シンク下から異臭がしないかも確認しましょう。
  • 入口ドア: 開閉がスムーズか、生徒が安全に利用できるかを確認します。
  • 裏口・窓: 入口以外の裏口や窓があるか、通気性はどうかを確認します。窓の開閉もスムーズか確認しましょう。
  • 光回線: 光回線が通っているか(LAN接続が可能か)。現代の学習にはインターネット環境が不可欠です。
  • コンセント: コンセントの差込口は多いか。パソコンやタブレット、その他電化製品を使用することを考えると、十分な数があることが望ましいです。

これらの設備が整っている物件は、まさに「優良物件」と言えるでしょう。

もし、こういう物件が駅近くであったならば、(徒歩5分以内なら最高!)押さえていいと思います。しかし、物件というのは、タイミングもありますので、ないときには本当にありません。
良い物件との出会いがぽろぽろあればいいのですが、現実はなかなかない!

新規で始めるということは、その物件とのめぐりあわせがあるかどうかにもかかってくるので、運命の出会いがあるかどうか・・・です。


物件取得費用:初期コストを抑える交渉術

物件取得費用は、開業時に最も大きなコストとなる部分の一つです。

敷金・保証金・礼金・前家賃の交渉ポイント

  • 敷金・保証金: 物件によってはゼロのところから10ヶ月分、12ヶ月分かかる場合もあります。学習塾や習い事教室は内部を比較的きれいに使う傾向があるため、交渉の余地が大いにあります。相場から大きくかけ離れている場合は、3ヶ月~4ヶ月分程度まで交渉できる可能性があります。
  • 礼金・前家賃: これらの費用も、仲介の不動産会社に細かく確認し、交渉が可能であれば試みる価値があります。
  • 家賃以外の費用: 管理費や看板使用料など、家賃以外に細かく名目が分かれている場合も交渉の余地があります。

交渉時の注意点

まず第一に金額交渉をするのであれば、必ず「申込書」を書いてからです。
申込書は契約書ではありませんので、契約書前の意思表示ではあるのですが、交渉スタートの場でもあるということです。

  • 丁寧な姿勢で: 物件オーナーも人間です。高圧的な態度で値引きを迫るのではなく、丁寧な姿勢で交渉に臨むことが重要です。申込書提出後であっても、借りる側が有利な立場になるわけではありません。良好な関係を築くことで、長期的な教室運営にもプラスに働きます。

契約前の条件確認:トラブルを避けるための最終チェック

候補物件が決まり、内見を終えたら、いよいよ契約に向けての最終確認です。

申込書提出後の交渉と審査

  • 申込書の提出: 気に入った物件があれば、まずは「申込書」を提出し、借りる意思を伝えます。通常、家賃やその他の金額、条件などの交渉は申込書提出後に行われるものと認識しておきましょう。
  • 担当者への依頼: 申込書提出後、担当の不動産会社社員に希望する条件を伝え、オーナーとの交渉を依頼します。
  • 審査: 申込書提出後には、入居審査も同時進行で進められます。

「賃貸借契約書」と「重要事項説明書」の徹底確認

最終的に条件がまとまり、契約となる際には、「賃貸借契約書」と「重要事項説明書」の内容を宅建士による説明のもと、読み合わせで確認します。この時間は決して面倒だと思わず、集中して内容を理解することが重要です。

  • 不明点の確認: 書かれた文言が分かりにくい場合や、説明を受けても理解できない場合は、遠慮なく質問し、納得いくまで説明を求めましょう。
  • 不利な内容の修正: 特に「特記事項」の欄と「重要事項説明書」全体は細心の注意を払って確認してください。あまりにも不利な内容が書かれている場合は、その部分の修正を求めても問題ありません。

不動産会社とのやり取りでお困りですか?

新規で物件を借りる際や、廃業に伴う物件の明け渡しなど、不動産会社とのやり取りでご不明な点やご不安な点がございましたら、専門家にご相談いただくことも有効です。CROSS M&Aでは、物件に関するご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。