フランチャイズ学習塾の譲渡は「困難」ではなく「好機」である理由

学習塾を経営するオーナーにとって、少子化という構造的な課題に加え、近年の急速なデジタル化、そしてAI(人工知能)の台頭は、経営のあり方を根本から問い直す大きな転換点となっています。

「うちはフランチャイズ(FC)だから、本部の制約があって譲渡は難しいのではないか」

「業績が横ばいなのに、買い手などつくのだろうか」

「いっそ、このまま閉校してしまった方が楽なのではないか」

もしあなたが今、このように悩み、出口戦略(エグジット)を模索しているのなら、まずはその認識を改める必要があります。

結論から申し上げます。

今の時代、フランチャイズの学習塾案件こそ、自信を持って売却市場に出すべき価値ある資産です。

なぜ、個人塾よりもむしろフランチャイズ案件が求められているのか。

なぜ今、学習塾業界で大規模な再編・淘汰の波が起きているのか。

本記事では、AI時代の到来という視点から、学習塾オーナーが知っておくべき「譲渡の真実」を詳しく解説します。


1. 学習塾業界を襲う「デジタル・トランスフォーメーション」の正体

内部にいるからよくわかります。

学習塾業界は今、「教える場所」から「学習データを活用する場所」へと変貌を遂げつつあります。この変化は静かにそしてダイナミックに、市場にいくつかの支流を作り上げているのです。

かつては講師の質やカリキュラムが差別化の要因でしたが、現在はそれに加え「いかに効率的に、個々の生徒に最適化された学習環境を提供できるか」が問われています。

AI時代における「個人塾」の限界

個人塾の最大の魅力は、オーナーの個性や地域に根ざした指導力にありました。しかし、現代の受験・学習環境において、それだけで生き残るのは至難の業です。

現在の学習塾には、以下のようなデジタルツールが不可欠となっています。

  • 生徒一人ひとりの習熟度を分析し、最適な問題を出題するAI教材
  • 保護者とのコミュニケーションを円滑にする専用アプリ
  • 登下校管理、月謝請求、成績管理を統合した校務システム
  • オンライン授業や映像授業の配信プラットフォーム

これらをゼロから自前で構築しようとすれば、数千万から億単位の開発コストがかかります。もしかしたら、数客万円で請け負ってくれるところもあるかもしれません。しかし、機能は相当制限されてしまいます。
システムをつくるということは、企画して、設計して、いくつかのフェーズに分けて一部ずつ完成して、全体が完成して「終わり・・・・」ということには「絶対に」なりません。

システムはずっとupdate し続ける宿命にあります。
それがゆえに、作るだけのコストで収まることは絶対にありません。

作ったあとに保守だとか何だとかの毎月のランニングコストが発生するのです。
大きなシステムであるほどに、ランニングも高額になります。

よって、何百万円で「上がり!」ということにはならないものなのです。

運用を開始した後、OSのアップデートやAIアルゴリズムの更新に合わせてメンテナンスし続けなければなりません。

個人経営の塾が、日々の指導を行いながらこれらの「IT投資」と「継続的な開発」を両立させるのは、コスト面でも人的リソースの面でも、もはや不可能な領域に達しています。

フランチャイズが持つ「開発力」という参入障壁

ここで、フランチャイズの強みが際立ちます。

フランチャイズ本部は、全国の加盟店から集まるロイヤリティを原資として、莫大な費用をかけて最新鋭のAIツールや学習システムを開発・導入しています。

買い手(譲受希望者)の視点に立ってみてください。

これから塾経営に参入しようとする企業や、事業規模を拡大しようとしているオーナーにとって、「既に完成され、実用に耐えうるデジタル基盤が整っている塾」は、喉から手が出るほど欲しい案件なのです。

そして、意外と知られていませんが、大手の学習塾は、大手の学習塾と手を組んで業務提携したり、A社のFCにB社が加盟したり、そういう関係性も多くあるのです。
もし、フランチャイズはロイヤリティがかかるからなぁ・・・程度の感覚で二の足を踏むのであれば、大手同士が何故に、フランチャイズ加盟したりするのでしょうか。

このテーマを考える際には、総体的なコストを考えていくようにしましょう。

フランチャイズ加盟をしなければロイヤリティは発生しません。しかしながら、その分システム開発にコストをかける必要があります。
フランチャイズ加盟をすればロイヤリティは発生します。しかしながら、システム開発などする必要はありません。

どちらがコスト的に得なのかを考えてみましょう。

学習塾オーナーの方が、事業譲渡されるのであれば、フランチャイズ案件は売りにくいだろうなぁ、などと考える必要はありません。

再度。
時代が求めているものを用意できなければ、顧客から選ばれないのです。もしかして、オーナーの人間味だけで人を集めることが出来ると?

そんな時代はとうの昔に終わっています。


自分の感性ではなく、保護者側、生徒側の感性で判断してみましょう。


2. なぜ「フランチャイズ案件」は譲渡しやすくなったのか

「フランチャイズは本部への承認が必要だから面倒だ」という考え方は、一昔前のものです。現在のM&A市場において、フランチャイズ案件には明確なメリットが3つあります。

メリット1:運営の「標準化」が完了している

M&Aにおいて、買い手が最も恐れるのは「属人化」です。「カリスマ塾長がいなくなったら生徒が辞めてしまうのではないか」という不安です。

しかしフランチャイズ塾の場合、カリキュラム、指導マニュアル、集客手法、そして管理システムがパッケージ化されています。

オーナーが交代しても、現場のオペレーションが維持しやすい構造になっているため、買い手にとっては事業承継のリスクが非常に低いのです。

メリット2:金融機関からの評価が得やすい

新規に塾を立ち上げる、あるいは無名の個人塾を買収する場合、金融機関の融資審査は厳しくなりがちです。一方で、誰もが知る大手フランチャイズの看板があれば、事業の継続性や収益の見通しが立てやすく、買い手が資金調達をスムーズに進められる可能性が高まります。これは結果として、売却価格の維持や成約率の向上に繋がります。

メリット3:DX(デジタルトランスフォーメーション)の代行

前述の通り、これからの塾経営はITとの戦いです。フランチャイズに加盟していることは、「常に本部が最新の教育テクノロジーをアップデートしてくれる権利」を持っていることを意味します。この「将来にわたるシステム開発の担保」こそが、譲渡価格(のれん代)を押し上げる大きな要因となります。


3. 「閉校」という選択肢がもたらす致命的な損失

経営が苦しい、あるいは後継者がいないという理由で「閉校」を考えているオーナーも多いでしょう。しかし、安易な閉校は、オーナーにとっても地域社会にとっても、大きな損失をもたらします。

閉校コストの現実

塾を閉めるには、多額の費用がかかります。

  • 賃貸物件の原状回復費用(スケルトン戻し)
  • 講師や事務スタッフへの解雇予告手当や退職金
  • リース機器の解約違約金
  • 生徒への授業料返還や転塾先の手配に伴う諸経費

これらを合計すると、少なくとも数十万円、数百万円から、規模によっては一千万円を超える持ち出しが発生することもあります。

長年情熱を注いできた事業の最後が「資産の散逸」と「負債の支払い」で終わるのは、あまりにも忍びない結果です。

事業譲渡による「プラスの清算」

一方で、事業譲渡(M&A)を選択すれば、状況は180度変わります。

  • 売却益の獲得: 営業利益の数年分、あるいは造作資産の対価として現金が手元に残ります。
  • 雇用の維持: 信頼してきた講師やスタッフが、そのまま新しいオーナーの下で働き続けることができます。
  • 生徒への責任: 慣れ親しんだ校舎で、生徒が学習を継続できます。
  • 原状回復の免除: 居抜きでの譲渡となるため、多額の解体費用を支払う必要がありません。

「赤字だから売れない」と思い込んでいるオーナーも少なくありませんが、大手塾や異業種からの参入を狙う企業にとっては、「立地」や「生徒数」だけでも買収の動機になり得ます。


4. 2026年、学習塾業界の再編淘汰にどう乗り出すか

今、学習塾業界は「大規模資本による再編」の真っ只中にあります。かつてのような小規模な個人塾が乱立する時代は終わり、効率化されたシステムを持つグループがシェアを拡大する時代です。

この再編の波は、出口を考えているオーナーにとって、実は最大のチャンスです。

買い手はどのような層か

現在、学習塾のフランチャイズ案件を探しているのは、以下のような層です。

  1. 既存のFC多店舗展開オーナー 効率化のため、近隣エリアの校舎を買い叩きたい。
  2. 異業種からの新規参入企業 本業以外の収益の柱として、教育事業を持ちたい(システムが完成されているFCが最適)。
  3. 塾講師として独立を希望する個人 ゼロからの立ち上げよりも、既に生徒がいる状態を引き継ぎたい。

これらの買い手にとって、AI教材やデジタルツールが完備されたフランチャイズ校舎は、「すぐに収益化が見込める完成されたパッケージ」に見えます。


5. 譲渡成功のための比較検討

ここで、閉校と譲渡の具体的な違いを整理してみましょう。

比較項目閉校(廃業)の場合事業譲渡(M&A)の場合
手元に残る資金原状回復費等でマイナスになることが多い売却対価としてプラスになる
スタッフの雇用全員解雇となる基本的に継続雇用が可能
生徒への対応転塾を余儀なくされ、多大な負担を強いる同じ環境で学習を継続できる
オーナーの経歴「廃業」という形になる「事業承継」「エグジット」という成功実績になる
物件の処理解体・返却手続きが必要新オーナーに賃貸借契約を承継できる(承諾要)

この表を見れば明らかなように、経済的にも社会的にも、譲渡を目指すことがオーナーにとって最善の選択であることは間違いありません。


6. オーナーが今すぐすべきアクション

「譲渡できるかもしれない」と考え始めたら、まずは以下のステップを踏んでください。

自校舎の「強み」をデジタル視点で棚卸しする

あなたが加盟しているフランチャイズが、どのようなAIツールを導入しているか。それが現場でどのように活用され、生徒の成績向上に寄与しているか。これらを言語化してください。買い手は「最新ツールを使いこなしている現場」を評価します。

帳簿と契約書の整理

過去3年分の決算書や試算表、そしてフランチャイズ契約書を確認してください。特にフランチャイズ契約における「譲渡禁止規定」や「本部への譲渡承認手続き」の内容を把握しておくことが重要です。多くの場合、本部の承認を得れば譲渡は可能です。

専門家への相談

学習塾のM&Aに精通したアドバイザーに相談してください。一般的な不動産屋や税理士では、教育業界特有の「生徒数=資産価値」という計算や、AI時代における将来価値を正しく評価できないケースがあるからです。


7. 終わりに:堂々と「売り」に出しましょう

学習塾の経営者が高齢化し、後継者不足が深刻化する中で、廃業を選択する校舎は後を絶ちません。しかし、あなたがこれまで築いてきた校舎、育ててきた生徒、そして何より本部と共に活用してきたデジタルアセットは、これからの時代にこそ価値を発揮するものです。

「フランチャイズだから自分勝手に売れない」と卑屈になる必要はありません。むしろ、「最新のAIツールを備えた、再現性の高い完成された教育拠点である」と、胸を張って市場に提示してください。

AI時代における学習塾の再編は、持続可能な教育環境を作るためのポジティブな動きです。あなたの校舎が、新しいオーナーの手によってさらに発展し、地域の子供たちの未来を支え続ける。そのための「バトンタッチ」として、事業譲渡という選択肢を真剣に検討してみてはいかがでしょうか。

閉校という幕引きではなく、エグジットという新しい門出を。

学習塾業界の未来は、こうした賢明なオーナーの選択によって形作られていくのです。



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