中学受験と高校・大学受験の費用はどう違う?補習から受験生まで学習塾の学費ガイド

学習塾の費用は、お子様の学年や通塾の目的によって劇的に変動します。
特に「学校の予習復習」を目的とするのか、あるいは「難関校への受験」を見据えるのかによって、家計への負担は雲泥の差があるのが現実です。
ここでは、保護者の皆様が
「これくらいなら許容範囲かな」
「えっ、こんなにかかるの?」
と実感する、現在の学習塾費用の相場を徹底的に解説します。
学習塾の費用は、月謝以外にも夏期講習や教材費といった「見えないコスト」が大きく関わってきます。
記事の中で解説した各学年の相場を、
保護者の方が直感的に把握できるよう一覧表にまとめました。
ここでは、月額の授業料だけでなく、年間の総費用を12ヶ月で割った「実質的な月負担額」も併記します。
学習塾の費用相場まとめ
| 学年・区分 | 月謝(通常授業)の目安 | 年間総額(講習・諸経費込) | 月平均の負担額(推定) |
| 小学生(学校補習) | 1万円から1万5千円 | 15万円から25万円 | 約1.5万円から2万円 |
| 小学生(中学受験) | 4万円から6万円 | 100万円から150万円 | 約8万円から12万円 |
| 中学1年生 | 2万円から3万円 | 30万円から45万円 | 約2.5万円から4万円 |
| 中学2年生 | 2万5千円から3万5千円 | 35万円から55万円 | 約3万円から4.5万円 |
| 中学3年生(受験生) | 4万円から7万円 | 60万円から100万円 | 約5万円から8.5万円 |
| 高校1年生 | 2万5千円から4万円 | 40万円から60万円 | 約3.5万円から5万円 |
| 高校2年生 | 3万円から5万円 | 50万円から80万円 | 約4万円から7万円 |
| 高校3年生(受験生) | 5万円から10万円 | 80万円から150万円 | 約7万円から12万円 |
表の見方のポイント
1.中学受験と大学受験の重み
表を見ると一目瞭然ですが、中学受験の6年生と大学受験の3年生は、年間総額が100万円の大台を超えることが一般的です。これは毎月の授業料だけでなく、夏休みや冬休みの特別講習で一度に数十万円の支払いが発生するためです。
2.個別指導と集団塾の差
上記の金額は、一般的な集団塾をベースにしていますが、完全マンツーマンの個別指導塾やプロの家庭教師を選ぶ場合は、この金額の1.5倍から2倍程度を見積もる必要があります。
3.学年ごとのステップアップ
中学・高校ともに、1年生から3年生にかけて徐々に金額が上がっていきます。特に「中2から中3」「高2から高3」への上がり幅が非常に大きいため、家計のシミュレーションをする際は、最終学年の予算を厚めに見積もっておくことが重要です。
1.小学生(学校補習)の費用相場:月額10,000円から15,000円
小学校低学年から中学年にかけて、学校の授業についていくことを目的とした補習塾の場合、週1回から2回の通塾で月謝は1万円前後が相場です。 多くの保護者が「習い事の一つ」として捉える金額感であり、家計への圧迫感はまだそれほど強くありません。 ただし、算数と国語の2教科をしっかり見る個別指導塾を選ぶと、月額2万円を超えることも珍しくありません。
2.小学生(中学受験)の費用相場:月額40,000円から60,000円(+α)
中学受験を志した瞬間、教育費の桁が変わります。 大手の中学受験専門塾に通う場合、4年生で月額3万円、5年生で4万円、6年生になると5万円から7万円と段階的に上がっていきます。 さらに、中学受験特有の「季節講習(夏期講習や冬期講習)」「公開模試」「志望校別特訓」などの追加費用が重なり、6年生の年間総額は100万円から150万円に達することも珍しくありません。 保護者の推定としては「月謝は5万円くらいだが、実際は年間で割ると毎月10万円近く消えている」というのが本音でしょう。
3.中学1年生の費用相場:月額20,000円から30,000円
中学生になると、英語という新しい教科が加わり、定期テスト対策の重要性が増します。 週2回の通塾で、主要5教科(英数国理社)をカバーする集団塾なら月額2万円台が一般的です。 部活動との両立を考え、時間調整がしやすい個別指導を選ぶと、3万円を超えるケースが増えてきます。
4.中学2年生の費用相場:月額25,000円から35,000円
中2は「中だるみ」の時期と言われますが、学習内容は一気に難化します。 多くの塾では授業時間が増えたり、オプション講座が追加されたりするため、月謝は中1よりも数千円から1万円ほど底上げされます。 保護者としては「まだ受験生ではないが、将来を見据えて少し投資を増やさざるを得ない」という感覚になります。
5.中学3年生(受験生)の費用相場:月額40,000円から70,000円
いよいよ高校受験本番です。 通常授業の月謝に加え、北辰テストなどの模擬試験代、日曜特訓、入試直前講習などが毎月のように発生します。 特に夏休み以降は、夏期講習費として一度に10万円から20万円の支払いが発生することもあり、月平均に直すと5万円から7万円程度の出費を覚悟する必要があります。 保護者の実感としては「毎月の給料から出すには限界があり、ボーナスを切り崩して対応する」というフェーズに入ります。
6.高校1年生の費用相場:月額25,000円から40,000円
高校受験が終わって一息つきたいところですが、大学受験を見据えた動きはすぐに始まります。 映像授業を主体とする塾や、週1回の個別指導など、スタイルは様々です。 高校生は1教科あたりの専門性が高まるため、単価が上がります。2教科受講で3万円台というのが標準的な感覚です。
7.高校2年生の費用相場:月額30,000円から50,000円
志望校が定まり始め、理系・文系の選択によって必要な教科が増えてきます。 現役合格を目指す意識が高い家庭では、受講コマ数を増やすため、月額費用は4万円から5万円程度に上昇します。 また、予備校の「通年パック」のような契約をすると、初期費用で数十万円が必要になることもあります。
8.高校3年生(受験生)の費用相場:月額50,000円から100,000円
大学受験生の費用は、全学年の中で最も高額になる可能性があります。 予備校での複数教科受講、夏期・冬期講習、共通テスト対策、二次試験対策、さらには私立大学の受験料(1校につき3万5千円程度)まで含めると、年間の教育費は凄まじい金額になります。 医学部受験などの専門コースであれば、月額換算で10万円を軽く超えることもあります。 保護者の推定としては「これ以上は無理だと言いたいが、子供の将来がかかっている以上、出すしかない」という極限状態に近い心理になります。
なぜこれほどまでに塾代は高いのか
保護者が抱く「なぜこんなに高いのか」という疑問に対し、塾側の事情としては、優秀な講師の確保、教材開発費、模試のデータ分析、そして何より「場所代と人件費」が挙げられます。 特に個別指導塾の場合、生徒2人に対して講師1人を配置すれば、必然的に人件費率は高くなります。 しかし、保護者が支払う対価は「知識」だけでなく、「情報」と「安心感」でもあります。
月謝以外に見落としがちな費用
多くの保護者が予算を組む際に失敗するのが、月謝以外の諸経費です。 入塾金、維持費(教室維持費・冷暖房費)、教材費(半年ごとに数万円)、テスト代。 これらを合計すると、パンフレットに記載されている月謝のプラス2割から3割増しの金額が実質的な支払い額となります。
家庭教師という選択肢
塾以外の選択肢として家庭教師がありますが、これは「1対1」の究極の個別指導であるため、費用はさらに高くなる傾向があります。 学生講師であれば時給2500円から、プロ講師であれば時給5000円からが相場です。 月額にすると4万円から8万円程度。通塾の手間がない分、時間は有効活用できますが、家計へのインパクトは最大級です。
教育費を抑えるための工夫
最近では、スタディサプリに代表される月額数千円のオンライン動画学習サービスを利用する家庭も増えています。 これにより、特定の苦手科目だけを個別指導塾で補い、それ以外はオンラインで自習するという「ハイブリッド型」の学習スタイルが、賢い保護者の間でのトレンドになっています。
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【実例(実話)】
何事もそうですが、「安い」「無料」には、何かしら訳があります。
もっとも身近な例で言えば、スーパーで売っている商品一つとっても、よく考えたら安い=お得ではないパターンというのが多いです。
ばら売りだと 1つ200円の商品が、3個で540円となれば、金額としては200円が安いですが、1個あたりの単価は、3個売りのほうが1つ180円ですので、こちらのほうがお得です。
この形式は授業でもよく料金設定されます。
例えば、週1回授業で月に4回受けられるコースが合計18,000円だとします。
(1万円台ならいいかも・・・)
そう思われる保護者もいるかもしれません。
週2回授業で月8回受けられるコースが30,400円とう金額設定だとします。そうすると、
(3万円以上か、、、ちょっと高いかな・・・)
そのように金額面で単純比較されてしまうかもしれません。
ですが、この18,000円のコースは、1回当たりの授業単価は4,500円になります。30,400円のコースは、1回あたり3,800円ですので、1回ごとに直せば1回当たり700円お得になっています。
700円か・・・たいしたことない、、、、そんな風に思わないでください。
年間で受講する回数は、一か月8回であっても96回です。春、夏、冬と講習を受講すれば、もっと回数が上がります。
96回で普通に考えても 96×700ですから、これで67,200円の差が出ます。
このペースで3年間やれば、20万円以上の差です。ここに講習分と加えたらどれだけ違うのでしょうか。
表数字として比較した18,000円と30,400円の比較ではなく、やはり1回授業単価をしっかりと計算してもらいたいです。
まとめ:保護者が覚悟すべき現実
学習塾の費用は、階段状に上がっていくのではなく、受験学年で一気に跳ね上がるという特徴があります。 小学校補習(1万円)→中学受験(6万円) 中学2年(3万円)→中学3年(6万円) 高校2年(4万円)→高校3年(8万円) このように、受験期にはそれまでの倍近い予算を見ておく必要があります。
「子供がやりたいと言えば、親としてはNOとは言えない」というのが多くの親心です。
しかし、無理なローンを組んだり、老後資金を全て使い果たしたりするのは本末転倒です。
各ステージでの相場を正しく把握し、どこでアクセルを踏み、どこで節約するのか。 この記事が、皆様の家計管理と教育投資の羅針盤となれば幸いです。

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