学習塾・習いごと教室の売却を成功させる鍵は「画像」にあり

はじめに:買い手の心を掴む最初のステップ
学習塾や習いごと教室の売却を検討されている皆さま、こんにちは。
譲渡・売却について、若干後ろ向きな感情が出てしまっている場合には、まず初めに「市場動向」について、いくつかのサイトで情報を集めておくことをお勧めいたします。
オーナーにとっても人生における大きな決断の一つになりますので、良いことも悪いこともしっかりと見定めて決断をされるといいです。
この記事の下のほうに「学習塾・習いごと教室のオーナーに読んでほしい記事のリンク」を複数入れてありますので、是非ご確認ください。個人的にいの一番でご覧頂きたい記事は
売り手市場から買い手市場へ!
買い手市場に移行すると(すでにその兆候が多数あります)今度は売るにしても売れない・・・かなり大きくディスカウント交渉される・・・という事態になります。
早めに実態を知って頂き、尚且つ有利に進めていく方法の一つとして「誰でもできる内容」として本記事を書いています。
売却案件は、対象物が何にして画像が重要
特に、インターネットが情報の主要な入口となっている現代において、買い手にいかにして興味を持ってもらい、具体的な検討へと進んでもらうかが、売却成功の最大の鍵となります。皆さま自身も、何か大きな買い物をするとき、最初に何を見るでしょうか?
おそらく、多くの人が「画像」と答えるはずです。不動産、車、バイク、さらにはフリマアプリでの中古品に至るまで、私たちはまず視覚的な情報から直感的にその価値を判断します。
不動産においては、大手の会社は3D動画撮影をします。まるで自分が歩き動き回って室内を閲覧しているかのように、優雅な演出をするなどが多くなってきました。
車やバイクなども上位はgooなどが占めており、画像と動画をデフォルトでupload 出来るようになっているようで、動画部分では車両の状態を示す動画であったり、実際にエンジンをかけてアクセルを吹かす様子、電気系統が正常動作している様子に加えて、自社のサービスの特徴や会社案内を動画にUPするなど販売店側もかなり工夫している様子がよくわかります。
この心理は、M&Aにおいても全く同じです。同じではあるのですが、M&Aには「秘匿性」を重視した側面もあるため、最初の案件検索時に画像が多く掲載されていることは、ほとんどありません。
そのため、一般的なM&Aのプロセスでは、買い手は最初、テキストベースの情報にしか触れることができません。(※この点が通常の売り買いとは全く異なる点です)
業種、地域、譲渡金額といった数字や、簡潔な概要文だけで、その教室が持つ本当の魅力を伝えきることは非常に困難です。
買い手は、漠然とした情報の中から興味のある案件を探し、ようやく個別問い合わせへと進みます。その段階でも、場所や詳細な情報が特定されないよう、慎重に情報が開示されるのが一般的です。
ノンネームシート(特定されるような詳しい情報は開示されない)
↓
IM情報
↓
個別のやり取り
ポイントはここからです!
その「遅い」開示の段階で、買い手の心を一気に掴むチャンスがあります。
それが、あなたの教室の魅力を最大限に伝えるための資料、特に画像です。ここで提供される画像のクオリティと量によって、買い手の事業に対するイメージは大きく膨らみ、契約に向けた熱意が一気に高まります。逆に言えば、ここで買い手の期待に応えられなければ、トーンダウンしてしまい、交渉がスムーズに進まなくなる可能性が高いのです。
買い手は文章からはなかなかイメージできません。教室の外から見た様子、内部の様子などをあたかも現地見学をしているかのごとく見ることで一気にイメージがわいてくるものと捉えてください。
この記事では、学習塾や習いごと教室の売却を検討している皆さまに向けて、なぜ画像が重要なのか、どのような画像をどのように準備すべきか、そしてその効果を最大化する方法について、徹底的に解説します。
画像がM&Aプロセスにもたらす圧倒的なメリット
なぜ、M&Aにおいて画像がこれほどまでに重要なのでしょうか。その理由は、以下の3つのポイントに集約されます。
1. 教室の「雰囲気」を伝える唯一の手段 テキスト情報だけでは、教室の広さや設備、生徒たちの活気ある雰囲気、講師の表情といった、五感で感じる「空気感」を伝えることはできません。M&Aは、単に事業を売買するだけでなく、その事業が持つ文化や価値観、そして生徒や地域との関係性を引き継ぐ行為です。
例えば、生徒たちが集中して自習に取り組む姿、講師が熱心に個別指導を行う一コマ、壁に貼られた生徒の作品や目標、清潔に保たれた自習室や休憩スペース。これらの画像は、買い手にとって、その教室の運営スタイルや教育理念、そして何よりも「そこで働くこと、事業を継承することのイメージ」を鮮明に描き出します。
2. 信頼と透明性を高める M&Aの交渉において、信頼関係の構築は不可欠です。しかし、初めて顔を合わせる相手に、いきなり事業の全てをさらけ出すことには抵抗を感じるかもしれません。ここで、質の高い画像が大きな役割を果たします。
例えば、整頓された教室の画像や、最新の設備を撮影した画像は、あなたが日頃から教室を大切に運営してきた証です。それは買い手に対し、「この売主は誠実で、事業内容についてもオープンに情報を開示してくれるだろう」という安心感を与えます。情報の透明性が高まれば、買い手は安心して次のステップに進むことができます。
3. 他の案件との差別化を図る M&Aのプラットフォームには、数多くの案件が掲載されています。その中で、買い手の検討候補に格上げしていくためには、他の案件と一線を画す必要があります。画像が乏しい、あるいはクオリティの低い案件が多い中で、質の高い画像を豊富に用意することで、あなたの教室はひときわ輝きを放ちます。
買い手は、多くの案件の中から数件に絞り込んで詳細を検討します。この最初のスクリーニングの段階で、画像が充実している案件は「真剣に売却を考えている優良な案件だ」と判断され、優先的に検討される可能性が高まります。
買い手の心を掴む!効果的な画像の撮り方と選び方
それでは、具体的にどのような画像をどのように準備すればよいのでしょうか。単にスマホで撮ればいいというわけではありません。プロのカメラマンに依頼するのも一つの手ですが、それだけでコストがかかりますので、すべてご自身で撮影したほうが良いです。いくつかのポイントを押さえるだけで、その効果は飛躍的に高まります。
1. 教室の全体像を俯瞰する まず、教室の全体像、つまり外から見た教室の様子がわかる画像を複数枚用意しましょう。正面から、斜めから、教室内を広く見渡せるアングルなど、様々な角度から撮影することで、買い手は空間の広さやレイアウトを具体的にイメージできます。
【注意点】
・日中撮影は空の青さなども一緒に撮影できるとさわやかな写真になります。
・外が明るいときに内部が写るように撮影しても内部は暗く撮影されます。そのため、時間帯を夜撮影してとても明るい様子が浮きでるように撮ったものも加えるといいです。
・ビルのテナントとして入っている場合は、ビル全体を俯瞰した大きな図もあるといいです。
・同じ入口からの撮影でも右斜め前から、左斜め前から、正面から、など角度を変えて撮影しましょう。
・夕方以降、自転車が多く立ち並ぶ様子も塾・習いごと教室ではとても有効です。
2. 設備のクローズアップ 机、椅子、ホワイトボード、プロジェクター、パソコン、参考書、さらには生徒のロッカーなど、教室で使用している備品や設備を細かく撮影します。特に、比較的新しい設備や、ITを活用した機材があれば、それらを強調して見せることが重要です。
【注意点】
・いわゆる什器備品関係は、全体の中で「こんなものもあります」とやるよりも細かく区分けして、撮影したほうが良いです。
・講師や生徒名が特定できていしまうものが写りこまないように注意しましょう。
・トイレが内部にある場合にはトイレも清潔にして撮影したほうがいいです。
・教室責任者が普段いる机の上の様子であったり、その場から教室を俯瞰した図であったり、教室長机を視点の中心に置いた写真を撮影しておくと、買い手もイメージしやすいです。
3. 「動」の瞬間を捉える 生徒が熱心に授業を受ける姿、講師が質問に答える様子、休憩時間中に和気あいあいと話す生徒たち、自習室で黙々と勉強に取り組む姿など、「活気」や「雰囲気」が伝わる画像を撮影しましょう。後ろ姿や横顔、あるいはぼかしを入れるなどの工夫が必要です。
【注意点】
・個人情報保護の観点から、生徒の顔が特定できないように配慮することが大前提です。
・背中からの撮影であるとか、顔の部分に他の顔画像をかぶせて加工すれば、かなり躍動感のある画像を提供できます。
4. 整理整頓された清潔感をアピール 買い手は、事業の収益性だけでなく、運営状況や管理体制にも注目します。整理整頓されたきれいな教室は、あなたが日頃から細部にまで気を配って運営してきた証です。窓、床、事務スペースなど、普段見過ごしがちな場所も丁寧に清掃し、撮影することで、安心感を与えることができます。
5. 駅からのルートなど 看板、入り口なども重要な情報です。買い手は、その教室がどのような場所にあるのか、周辺の環境はどうかを知りたいと思っています。駅から近い場合は、駅からのルートを画像で示すのも効果的です。
6. 撮影の際の注意点
- 明るさ:自然光が入る時間帯を選んで撮影すると、明るく開放的な印象の画像になります。
明るくしたいからとストロボを選ばずに、ストロボなしにしたほうが仕上がりはよくなります。 - アングル:アングルは下からと上からで撮影しましょう。低いアングルから撮ることで、奥行きや広がりを強調できます。椅子にのって対角線上に撮影すると、授業の机やブースを上から撮影することになるため、学習しているときの想像がつきやすくなります。
- 枚数:最低でも30枚以上、できれば50枚以上の画像を用意するつもりで撮影しましょう。少ない枚数では、買い手は自分の見たい部分をすべて見ることができません。
無料オンラインストレージを活用して、スマートに情報を共有する
「たくさんの画像をどうやって買い手に送ればいいんだろう…」と悩む方もいるかもしれません。メールに添付するには容量が大きすぎますし、かといってCD-Rに焼くのも手間がかかります。
そこで活用したいのが、無料のオンラインストレージサービスです。特におすすめなのが「Firestorage」や「ギガファイル便」のようなサービスです。どちらも使い方は簡単ですし、会員登録などしなくても利用できます。

↑このような画面になります。その上下に色々と変な画像があったりしますが、クリックはしないほうが無難です。
送る場合は、「オクル」と書かれたところにチェックを入れます。そうすると、

↑ このような画面が出てきますので、保存期間やパスワード(特に必要なければ設定しなくても大丈夫です)、短縮URLのところは、このままチェックなしでいいと思います。
その下にあるSelect or drag filesのところから画像をUPします。
最後は、相手の方が格納した画像を見るためのURLが与えられるので、相手の方にそのURLをメールなどで送って教えてあげればOKです。
Firestorageのメリット
- 簡単:アカウント登録不要で、ファイルをアップロードするだけで共有URLが発行されます。
- 無料:容量制限はありますが、画像の共有には十分な無料枠が用意されています。
- セキュア:パスワード設定やダウンロード回数制限などのセキュリティ機能も充実しています。

↑このような画面になりますので、下の方にスクロールします。
そうすると、

↑ このような画面が見えるはずです。
↑
ギガファイル便も使い方は簡単です。
こちらの動画でも、丁寧にわかりやすく説明されています。
M&A仲介会社を通じて買い手に情報開示を行う際、このオンラインストレージに画像をまとめてアップロードし、パスワードをかけたURLを伝えることで、スマートかつ安全に大量の画像を提供することができます。
譲渡成功に向けた「見せ方」の工夫
ここまで、画像の重要性と準備方法について解説してきました。しかし、単に画像をたくさん並べるだけでは不十分です。買い手にとって見やすく、理解しやすいように、情報の見せ方を工夫する必要があります。
- 画像には簡潔なキャプションを添える
- 「自習室:集中して学習に取り組める環境です」
- 「指導スペース:生徒との距離が近い個別指導が可能です」
- 「受付:保護者の方とのコミュニケーションを大切にしています」 このように、それぞれの画像が何を表しているのかを明確にすることで、買い手の理解を深めます。
- 資料全体に一貫性を持たせる
- 画像だけでなく、財務資料や事業計画、生徒数推移などのテキスト情報も、分かりやすく整理された資料として提示することが重要です。
- 画像で伝えた「教室の雰囲気」と、財務資料で示される「数字」が一致することで、買い手はあなたの事業が健全であることを確信できます。
- 動画の活用も視野に入れる
- 画像だけでは伝えきれない「動き」や「声」を伝えるには、動画も非常に有効です。
- 例えば、3D撮影技術を使ったバーチャルツアーは、買い手が自宅にいながらにして教室の中を自由に歩き回るような体験を提供します。
- また、講師や生徒のインタビュー動画などを加えることで、教室の「人」の部分に焦点を当て、感情に訴えかけることも可能です。
撮影はスマホで十分です。但しスマホの場合、縦長画像になりますので、横向きで撮影するなど配慮をし、出来上がった画像のタイトルを変更しておくと、よりわかりやすいです。
まとめ:譲渡は「イメージ」から始まる
学習塾や習いごと教室の譲渡は、買い手にとって、単なるビジネスの買収ではありません。それは、新しい人生の始まりであり、教育者としての夢を叶えるチャンスです。
M&Aのプロセスは、最初は数字やテキストが羅列された無味乾燥なものに見えるかもしれません。しかし、そこにあなたの教室の画像という「生きた情報」を加えれば、買い手の心に火をつけ、具体的な行動へと導くことができます。
物件、車、中古品、そしてM&A…私たちは、何かを買うとき、まずイメージを求めます。そのイメージを鮮明に描き、買い手の「ここで事業をやってみたい!」という熱意を引き出すこと。それが、あなたの教室の譲渡を成功に導くための、最も強力な武器となります。
画像の準備は、手間のかかる作業かもしれません。しかし、この一手間を惜しまず、あなたの教室の魅力を最大限にアピールすることが、最終的に望む条件での円滑な譲渡を実現するための、最初で最大の投資となるのです。今こそ、あなたの教室の「最高の瞬間」を切り取って、未来の買い手に届ける準備を始めましょう。

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