即日報告が最強の武器!保護者との信頼を築く授業報告の全技術

保護者との信頼を深める「即日報告」の技術
学習塾や習いごとの指導者が保護者と良好な関係を築く上で、授業報告は不可欠な要素です。
もし・・・
「保護者よりも生徒の方が大事だよ」
「生徒を大事にしていれば、保護者への報告はまとめてやればいいんだ」
「学習塾や習いごとは、子どもたちが生徒なんだから、生徒第一でいいんだよ」
と、思われる気持ちもわかります。
学習塾も習いごとも「結果が全て」ですから、途中の経過よりも結果で勝負ということでしょうか。
この記事はすでに学習塾を営んでいる方ではなく、どちらかというとこれから新規で始める方、またはM&Aで学習塾を買収して開始しようとしている方向けで、失敗しないように真心こめて記事を書きます。
大前提
塾のお金、誰が払っているのか?
習いごとのお金、誰が払っているのか?
ここで1mmでも気づきあった方のみ、下に進んでください。
お金を払ってくださるのが保護者で、実際に現場で指導するのは生徒・・・このような特殊なサービス業の場合、いわゆるスポンサーである保護者への接点頻度が低くなると、保護者の満足度がどんどん低下します。
そして、そのやり方を間違えると、かえって保護者の不信感につながることもあります。この記事では、保護者との絆を深めるための鍵となる「即日報告」の重要性と具体的な方法、そして避けるべきことについて、詳しく解説していきます。
なぜ「即日報告」が最強なのか?
多くの塾や教室で、週次や月次の「まとめ報告」が行われているようです。しかし、それでは今日起きた出来事や子どもたちの小さな変化を伝えるには不十分です。即日報告を強く推奨するのには、明確な理由があります。
1. 臨場感と共感を呼び起こす 子どもが授業で「できた!」と喜んだ瞬間や、少し悔しそうな顔をした瞬間。これらは、時間が経てば記憶から薄れていくものです。その日のうちに報告することで、保護者はまるで自分がその場にいたかのような臨場感を味わうことができます。
- まとめ報告の場合: 「先週は計算ドリルを頑張りました」
- 即日報告の場合: 「今日の授業で、Aくんは初めて連立方程式を自力で解くことができました! 正解した瞬間、飛び上がるほど喜んでいましたよ。この調子で自信をつけていってほしいです。」
後者の報告には、子どもの感情や成長の瞬間が鮮やかに描かれており、保護者は「今日はこんなことがあったんだな」と心から共感し、嬉しさを共有することができます。この小さな共感の積み重ねが、保護者との強固な信頼関係を築いていくのです。
2. 学習効果を最大化する 授業報告は、記録ではありません。家庭での学習をサポートするための重要な手がかりです。今日の授業でつまずいた点や、これから取り組むべき課題をその日のうちに保護者に伝えることで、家庭学習をより効果的に進めることができます。
例えば、「今日の授業で、割り算の筆算の繰り上がりに苦戦していました。ぜひご家庭でも、例題を使って一緒に復習してみてください」と伝えれば、保護者は帰宅した子どもにすぐに声をかけ、サポートすることができます。このタイムリーな連携が、子どもの学習定着率を格段に向上させるのです。
これは特に小学生の生徒さんの保護者にはかなり有効です。
また、小学生の場合は、宿題の「〇付け」を是非保護者にやってもらうことをお勧めします。
特に学校内容の補習を目的とした生徒さんの場合には、保護者にもどんどん参加してもらう方法をとることで、生徒が長く在籍してくれるというリサーチ結果があります。
保護者参加型にしていく最も簡単な方法が宿題の〇付けなのです。
3. 保護者の安心感を満たす 「塾や習いごとに通わせているけれど、うちの子はちゃんとやれているだろうか?」これは、多くの保護者が抱える共通の不安です。
特に、まだ幼い子どもを持つ保護者は、子どもの様子が見えないことに強い不安を感じます。即日報告は、こうした保護者の不安を解消する最も有効な手段です。指導者からの報告が毎日届くことで、保護者は「指導者がうちの子をしっかりと見てくれている」という安心感を得ることができます。この安心感は、保護者が塾や教室を信頼し、長く通い続けるための重要な土台となります。
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【実例(実話)】※小学生の保護者との頻繁なやり取りと予想以上の無料サービス
正直なところ、小学生の学校補習型の授業の契約は、中学受験や中高生に比べて単価が安いです。しかしながら、そもそも小学生の学校補習型の生徒さんを要する保護者さんに多額の講習や大量のテキストを買ってもらうことの意味があまりありません。
自分が小学4年生の子がいる親だと思ってください。
・学校の授業内容を補習してほしい
・中学受験は考えていない
・楽しく勉強できるように学習習慣をつけたい
これらがニーズだとして、
・講習で〇コマやりましょう!
・将来を考えてうんぬんかんぬん!
これはあまりにも独りよがりなセールスです。やらないですし、相手はきっと冷めていきます。
一度冷めた気持ちを呼び戻すのは、新規契約よりも大変です。
ですから、こう思った方がいいです。
小学生で学校の補習形式授業がニーズのご家庭では、
・テキストは無理に何冊も推奨しない
・講習は無理に勧めない
・カリキュラム提示もハードにしない
そして、もしかしたら、利潤的には薄いかもしれませんが、保護者が考える以上のサービスをしてあげてください。
そのほうが長い目で見て、収益化されます。
どこの学習塾でも受験生とか、中高生重視にしがちです。
小学生のお子さんを軽視まではいかないにしても、手厚さは若干受験生、中高生よりダウンするのではないでしょうか。
それを逆にしたほうがいいとは言いませんが、
◆手厚さを演出する内容を授業以外で・・・2つ
このようにしてみるといいです。
一つは
①授業報告での、保護者に対する労いと子を褒めること
もう一つは、
②保護者が想定する以上に出来るサービスとして自習対応
この2つは、物凄く
効果があります。
少しだけ具体的に書きます。授業報告に、季節を織り交ぜて保護者に労いの言葉・・・これはビジネスシーンでも良く使いますから細かく書かなくても大丈夫ですよね。
例えば
「連日の猛暑・・酷暑と言っても言いぐらいですが、お変わりなく元気でいらっしゃいますか。
今日も太郎君は元気でしたので、良かったです!
また来週宜しくお願い致します!」
このぐらいの内容で十分です。これを毎回だとうざったいので、一か月に1~2回、または何かしらのイベントがあるときにでもやってみてください。
(運動会とか、遠足とか、修学旅行とか)
保護者が想定する以上の自習対応は、教室長が時間をとれるのであれば、やってみると、必ず保護者はあなたのファンになりますので、確実に効果があります。
もし、保護者から「分数の計算でまだよく理解していないようです」なんていう内容のメールや連絡が来たら、それをただ単に受けとめるのではなくて、即時、このように返すのです。
「お母様、大変失礼いたしました。今日の分数の授業でわかりにくいところがあったのですね。
宜しければ、今度太郎君が時間が取れそうなときに、例えば授業前の30分でもいいです。
早めに来られるときはありませんか。
私のほうで少しみてみたいのです」
このような提案を投げたときに、99%保護者は、次の授業や可能なときに太郎君を塾に来させてくれます。
そして約束通り、「補習」的に無料で実施するのです。
これ、教室長の負担は確かにそのときに増えるのですが、保護者の満足度はかなり高くなります。そして、1回とか2回ではなく、何回かやってみるといいです。
どのようにリターンがあるか。
・紹介が来やすくなります。
・生徒の状況を保護者が相談してくれるようになります(相談しやすくなる)
・当然ながら、無理に提案せずとも講習時に少しでも追加をとってくれるようになります
小学生の算数とか国語、英語ぐらいでしたら、たいてい皆さんも指導できると思います。特に算数は質問が多い教科ナンバー1ですから、新米教室長さんも算数ぐらいはひも解いておくといいです。
小学生の学校補習形式授業の生徒さんの継続は、塾の底力を上げることになるのです。
長文ではなく「頻度」で勝負する報告術
即日報告と聞くと、「毎日長文を書くのは大変だ…」と尻込みしてしまうかもしれません。しかし、重要なのは「長さ」ではなく「頻度」です。
そして、これから学習塾や習いごとを買収してオーナーになられる方は、「報告書を書く」という部分に尻込みする必要は一切ありません。
なぜなら、授業報告システムはCROSS M&Aサービスのアフターサービス事項だからです。
このシステムは無料です。利用していただければわかりますが、有料サービスなど使う必要はありません。もし契約してしまったならば解約してください。
もし、PDFの説明資料を見たら削除していいです。
コストは極力かけない!!
あなたには絶対に成功してほしい。だから徹するところは徹していきましょう。
当方の無料のシステムが稼働するとどうなるか・・・
1人の授業報告は早ければ1秒、多少上記のように季節面を取り入れた問題を入れたり、個別に何か付け足すとしても1分で終わります。
終わりの時間に30名分の報告があったとしてもすぐに終わります。
そこに時間と言うコストをかけないで、教室長の体力も温存してください。
そしてその点はとんでもなく自信がありますので、お任せください。
報告は「3つのポイント」に絞る 忙しい保護者にとって、長すぎる報告はかえって負担になることがあります。報告内容を以下の3つのポイントに絞り込み、簡潔にまとめることを心がけましょう。
- 今日の頑張りや良かった点(ポジティブな要素) 「〇〇の単元を集中して取り組んでいました」「友達と協力して問題が解けました」など、その日の授業で光った部分を具体的に伝えます。
- 今後の課題や改善点(建設的なフィードバック) 「計算のスピードが少し遅れがちです」「発表の時に少し声が小さくなっていました」など、次のステップにつながる課題を優しく伝えます。
- 保護者へのアドバイスやお願い(家庭での連携) 「ご家庭でも、このプリントを使って復習してみてください」「次の授業までに、漢字を5つ覚えてきてください」など、家庭でできることを具体的に提示します。
これらを組み合わせることで、「今日の授業では、〇〇がとても頑張っていました。ただ、〇〇の点で少しつまづいていたので、ご家庭でも復習をお願いします。」というように、簡潔かつ中身の濃い報告が完成します。
で・・・
この中身の濃い報告書ですが、上で書いたように1秒で終わらせるためには、どうしたらいいかです。
報告ツールは「手軽さ」で選ぶ 即日報告を習慣化するためには、報告ツール選びも重要ですが、お金はかけないでください。この記事をご覧頂いている方で有料サービスをすでに使っている、または使うことを検討されているのでしたら、まずはコンタクトください。
- 連絡帳: 最もアナログな方法ですが、手書きの温かみが伝わり、確実に保護者の目に触れるというメリットがあります。(今の時代は非推奨)
- メール: 文章だけでなく、写真や簡単な動画も添付できるため、視覚的な情報も伝えられます。一斉送信も可能ですが、個別送信を徹底することが重要です。(後述しますが、基本はメールがいいです)
- 専用の連絡アプリ: プッシュ通知機能があるため、保護者が報告を見逃しにくいという利点があります。また、過去のやりとりを簡単に検索できる機能も備わっているため、情報の管理が容易です。(アプリ・・・有料でしょうか?だとしたら非推奨です)
ツールを選ぶ際は、ご自身の運用コストと、保護者のITリテラシーの両方を考慮することが大切です。ですが、この部分でコストを毎月支払うというのは、どう考えてももったいないです。
なぜ「まとめ報告」はNGなのか
「週末にまとめて報告すればいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、まとめ報告にはいくつかのデメリットがあります。
1. 鮮度が失われる 一週間前の出来事を思い出して報告するのは、指導者側にとっても負担が大きく、報告内容が抽象的になりがちです。また、保護者にとっても、一週間前の出来事を伝えられても「もう終わったこと」と受け取られ、行動につながらないことが多いです。
2. 積極的なコミュニケーションが生まれない 即日報告は、保護者との間に双方向のコミュニケーションを生み出すきっかけとなります。「先生、いつも丁寧な報告ありがとうございます!」といった感謝のメッセージや、「〇〇について、家でもやってみます!」といった積極的な返信が生まれることで、保護者との関係性がより強固になります。まとめ報告では、こうしたタイムリーなやりとりは生まれにくく、一方通行のコミュニケーションに終始してしまいます。
3. 問題の早期発見が遅れる 子どもが授業で何か問題を抱えている場合、その日のうちに報告することで、家庭で早急に対応することができます。しかし、まとめ報告の場合、問題の発見が遅れ、状況が悪化してしまうリスクがあります。
まとめ報告は、100%非推奨です。
あまりにも保護者を軽視し過ぎています。今は、生徒の満足度よりも保護者の満足度を演出する時代です。

LINEを授業報告に利用してはいけない理由
手軽さから、個人アカウントのLINEを授業報告に使っている方もいるかもしれません。しかし、これはセキュリティとプライバシーの観点から強くお勧めできません。
1. 情報漏洩のリスク 個人のLINEアカウントは、誤送信やアカウント乗っ取りといったセキュリティリスクが常に存在します。生徒や保護者の個人情報を誤って関係のないグループに送信してしまったり、万が一アカウントが乗っ取られた場合に、機密情報が流出する危険性があります。また、退職した講師がグループチャットに残り続けることで、情報が流出し続けるというリスクも考えられます。
2. 公私の区別がつきにくい 個人のLINEを業務に利用すると、公私の区別が曖昧になります。授業時間外にも保護者から連絡が来たり、休日に通知が鳴ったりすることで、指導者の精神的な負担が増大します。これは、仕事の生産性を下げるだけでなく、ワークライフバランスを崩す原因にもなります。
3. 履歴の管理が困難 通常のLINEアカウントでは、過去のトーク履歴を効率的に検索したり、アーカイブしたりする機能が不十分です。過去のやり取りや添付ファイルを後から探すのは非常に手間がかかり、必要な情報を見つけ出すのが困難になります。また、トーク履歴が端末に依存するため、セキュリティ事故が発生した際のログ追跡や証拠保全も難しくなります。
LINEは個人で利用するのには、とても便利ですが、あくまでもビジネスですから、メールが一番です。
あの吹き出しみたいのが延々と続く内容だと、過去を洗うことが非常に厄介です。
そして講師とか保護者とのやり取りは、最低でも5年はサーバー上に残っていたほうがいいです。
その際、LINEで長期のやり取りを保存するのは、出来なくはありませんが、後から問題が発生した際に、整理するのに、とんでもない労力が発生します。
講師とのやり取りも生徒保護者とのやり取りもLINEではなく、メールを使うようにしましょう。
実践のためのステップ
即日報告をスムーズに実践するために、以下のステップを試してみてください。
- 報告のテンプレートを用意する: あらかじめ「今日のよかった点」「今後の課題」「家庭学習のアドバイス」といった項目をまとめたテンプレートを作成しておくと、報告内容を迷うことなく素早く作成できます。
- メモを取る習慣をつける: 授業中に子どもたちの印象的な言動や、つまずいた点をメモする習慣をつけましょう。これにより、授業後の報告作成が格段に楽になります。
- 保護者への説明を丁寧に行う: 即日報告を始める際は、「保護者の皆様との連携を密にし、お子様の成長をサポートするため、授業後すぐに簡単なご報告をさせていただきます」といった形で、その意図を丁寧に説明しましょう。これにより、保護者も報告の価値を理解し、協力的になってくれます。
まとめ
学習塾や習いごとにおける授業報告は、保護者との信頼関係を築くための生命線です。まとめ報告ではなく、「今日起きたこと」を「今日のうちに、遅くとも一営業日後までに」伝えるというシンプルな行動が、保護者との間に深い信頼と安心感を生み出します。
長文を書く必要はありません。大切なのは、「頻度」と「中身の濃さ」です。即日報告を習慣化することで、保護者との信頼関係が深まり、結果として子どもたちの学習意欲向上にもつながるでしょう。
【CROSS M&A(クロスマ)からのお知らせ】
当記事をお読みの皆様で、当社の仲介をご利用いただいた学習塾・習いごとの経営者様には、ご希望に応じて無料でメール送信システムの作成をお手伝いいたします。システム作成費も使用料も一切かかりません。
安全かつ効率的な報告体制を構築し、保護者との信頼関係を強化するお手伝いをさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

学習塾・習いごと専門M&AサービスCROSS M&A(通称:クロスマ)は、業界ナンバー1の成約数を誇るBATONZの専門アドバイザーです。BATONZの私の詳細プロフィールはこちらからご確認ください。
また、弊社は、中小企業庁のM&A支援機関です。
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